2018-04-28 19:00:00

英国の難病の幼児アルフィー・エバンズちゃんの死に、教皇の悲しみ


教皇フランシスコは、英国で難病のために入院していた幼児アルフィー・エバンズちゃんの死に深い悲しみを表明、その両親のために祈られた。

診断名のつかない稀な疾患により、リバプールの病院に入院し、生命維持治療を受けていた23ヶ月の男児アルフィー・エバンズちゃんは、治療継続を望む両親の強い反対を受けながらも、病院の判断により4月23日に人工呼吸器を取り外された。

アルフィーちゃんは、人工呼吸器を取り外された後も、数日間にわたり自力呼吸を続けていたが、4月28日に死亡が発表された。翌月には2歳の誕生日を迎えることになっていた。

教皇はアルフィーちゃんの死を悼むメッセージを、ツィッターを通し発表。

「わたしは小さなアルフィーちゃんの死に深く心を動かされました。今日、特にご両親のために祈りたいと思います。アルフィーちゃんを父なる神が優しく抱擁してくださいますように」と記された。

アルフィーちゃんの治療をめぐっては、これまで、回復は不可能との判断から生命維持装置を外すことを勧告する病院の医師団と、他の医療施設での新たな診断や治療の可能性を探りたいとする両親との間で明確な意見の相違が生じ、その判断は司法の場に持ち込まれていた。

アルフィーちゃんの両親、トム・エバンズさんとケイト・ジェームズさんは、アルフィーちゃんの生命維持治療中断への反対を訴え、可能なすべての法的闘争に臨んだが、彼らの訴えは斥けられた。

こうした中、教皇フランシスコはアルフィーちゃんに関心を寄せ、様々な方法でメッセージを発してきた。

4月4日、教皇はツィッターを通し、「小さなアルフィー・エバンズちゃんに、憐れみをもって寄り添い続けることができるように、可能なすべてが尽くされることを、そして彼のご両親の深い苦しみに耳が傾けられることを、わたしは切に希望します。アルフィーちゃんと、そのご家族、すべての関係者のために祈ります。」と発言。

4月15日、教皇は日曜正午の祈りで、アルフィーちゃんと、フランスのヴァンサン・ランベールさんに言及。重篤な病状のために生命維持治療を受けている世界各国の患者たちのために祈りを呼びかけると共に、すべての病者が家族と医師らの一致した支援のもと、病者の尊厳と命への大きな尊重をもって、病状に適した方法で治療を受けられるようにと訴えた。

4月18日、教皇は、アルフィーちゃんの父親トーマスさんとバチカンで会見。同日の一般謁見の席で、「生命の最初から自然の死に至るまで、命の主は神だけです。命を守るためにできる限りのことをするのは、わたしたちの義務です」と述べ、すべての人の命が尊重されるために、考え、祈るようアピールされた。

アルフィーちゃんに対する世論の関心は高く、イタリア政府は両親が希望する同国での治療が容易になるようにと、アルフィーちゃんにイタリア国籍を付与した。バチカンが運営するローマのバンビーノ・ジェズ病院も受け入れの体制を整えていた。

 








All the contents on this site are copyrighted ©.