2018-02-06 13:23:00

2018年度四旬節教皇メッセージ


教皇フランシスコは、2018年度四旬節に向けメッセージを発表された。

カトリック教会の典礼暦は、今年は2月14日の「灰の水曜日」より、復活祭の準備期間「四旬節」に入る。

祈りと償いの時である四旬節を信者たちが有意義に過ごし、主の復活の喜びによりふさわしい形で与れるよう、教皇は毎年この時期にメッセージをおくられる。

今年の四旬節メッセージのテーマは、「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える」(マタイ24,12)。

これは、イエスがエルサレムのオリーブ山において、世の終わりのしるしについて問う弟子たちに答えた言葉。

イエスは、大きな災いと、神を信じる人たちがそこで出会うであろう状況を告げると共に、様々な苦難を前に偽預言者たちが多くの人々を惑わし、人々の心の中の愛、全福音の中心であるその愛が消されかねない危機について述べている。

教皇は、イエスが言う「偽預言者」たちの存在に注目。偽預言者とはどのような姿を装っているのかを示された。

まず偽預言者とは、「蛇使い」のように、人間的感情を利用しながら、人を隷属化し、思うようにあやつる存在であると教皇は述べた。

つかの間の享楽に心を奪われ、幸福を売り渡してしまう人々、お金に魅惑され、卑しい儲けや利益の奴隷になっている人々、自分だけで十分と考えることで、孤独の罠に陥ってしまう人々など、様々な隷属の形を指摘された。

また、教皇は、偽預言者とは、苦しみに対する簡単で迅速な特効薬を謳いながら、実はまったく効果が無いものを与える詐欺師のようなものと話された。

薬物依存や、使い捨ての人間関係、簡単だが不正直な金儲け、人間関係や人生の意味を失わせるバーチャルな生活など、若者たちが陥りやすい状況に言及された。

偽預言者は「意味の無いものを与えながら、尊厳や自由、愛する力といった一番貴重なものを奪ってしまう」「悪を善のように、偽物を本物のように装い、人々の心を混乱させる」と教皇は注意を喚起。

わたしたちは偽預言者の嘘に騙されていないかを吟味する必要があると述べつつ、自分の中に善良な長続きする印象を刻むものが神から来るものであると説かれた。

次いで、「愛が冷える」状況とはどういうものかを考察された教皇は、わたしたちの心の中の愛を消す恐れがあるものとして、特にお金への執着を指摘。

それがやがて神の拒否、み言葉や秘跡を敬遠する傾向につながり、最後には、生まれる前の子ども、病気の高齢者、旅人、外国人、自分の期待に沿わない隣人への攻撃となっていく過程を見つめられた。

さらに教皇は、自然もわたしたちの心の愛の冷却を沈黙のうちに証しするものと述べ、汚染された土壌や、海、空などに言及された。

こうした状況に対し、教会は時に苦い「真理の薬」と共に、特にこの四旬節、祈り、献金、断食といった甘い特効薬を与えてくれると教皇は話された。

祈ることで、わたしたちを騙す偽りを心に発見し、献金を通して、吝嗇から自由になると共に、他人の中に兄弟を見出し、断食をわたしたちの霊的成長の場とすると同時に、日常的に飢えている人々への連帯の機会とするよう招かれた。

また、教皇は今年3月9日(金)から10日(土)を「主のための24時間」とし、各教区で少なくとも一つの教会が24時間扉を開き、礼拝と赦しの秘跡の可能性を提供することを願われた。








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