教皇フランシスコは、チリの若者たちとの集いを持たれた。
チリを司牧訪問中の教皇は、1月17日、午前に南部の都市テムコに赴かれた後、夕方、再び首都サンティアゴに戻られ、青少年たちとの出会いを主宰された。
教皇と若者たちの集いは、サンティアゴ南東のマイプ巡礼聖堂を会場に行われた。
同巡礼聖堂は、今から200年前の1818年、チリのスペインからの独立を決定づけることとなったマイプの戦いが行われた歴史的な場所に建っている。
1810年から始まったチリの独立への動きの中で、スペイン軍を破った場所にカルメル山の聖母に捧げる聖堂を建立するとの市民たちの祈願は、1818年ここに実現した。現在もこの巡礼地は、チリ独立の歴史のシンボルとなっている。
教皇はこの集いで、若者たちの代表の言葉に耳を傾けた後、参加者たちに率直で親しみを込めた励ましや助言を与えられた。
「神は皆さんの心の中に、自由や、喜び、より良い未来の夢を置かれました」と述べた教皇は、若者たちが無気力に留まらず、ソファから起き上がって靴を履く勇気を持ち、信仰のうちに、人生の冒険に挑戦するように励まされた。
安定を知らず、理想を追い求める若者たちを見て、大人たちは「そのうち成熟するだろう」と言うかもしれないが、「成熟する」とは、夢を諦め、「自分たちには何もできない、どうせ何も変らない」と不正を受け入れ、世の腐敗に迎合していくことではないと注意を促された。
教皇は、青少年たちが直面する現実を踏まえ、今秋バチカンで若者をテーマとするシノドスを開催すること、そして若者たちが教会の心の中で主役を占めていることを実感できるよう、若者たちによるシノドスの準備会議を行なうことに言及。「チリと教会は、皆さんを必要としている」と呼びかけられた。
教皇は、若者たちが常にインターネットや携帯電話と繋がった生活をしていることに注目。
インターネットの接続が切れたり、携帯電話のバッテリー残量が無くなると、うろたえ、不機嫌になる若者たちの様子を指摘された。
信仰もそれと同様であり、イエスとの繋がりをなくしてしまうと、わたしたちの理想や、夢、信仰は失われ、わたしたちは不穏な心に満たされてしまうと語り、イエスと常に繋がっていることが大切と話された。
また、チリの聖人、アルベルト・ウルタド神父を思いこされた教皇は、同神父の言葉を、信仰の「パスワード」として、心に記憶させるよう、若者たちに勧められた。
「イエスがわたしの立場だったら、どうされただろうか」
このウルタド神父の言葉は、わたしたちの心や、信仰、眼差しを目覚めさせ、光を灯すだろうと話された。
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