2018-01-08 12:12:00

教皇、バチカンの外交団と新年の挨拶を交換


教皇フランシスコは、バチカンの外交団と新年の挨拶を交換された。

1月8日、恒例の新年の集いのために、バチカン宮殿の王宮の間には、世界各国の大使らが一堂に会した。

昨年2017年5月には、ミャンマーがバチカンと国交を樹立し、現在、教皇庁と外交関係のある国々・組織(マルタ騎士団と欧州連合を含む)は185となった。

教皇は年頭の辞で、今年が第一次世界大戦の終結から100年、1948年12月10日に国連総会で世界人権宣言が採択されてから70年にあたることに言及。

人権という観点から、今日の世界情勢を展望された教皇は、平和の構築と軍縮、命や家庭の保護、移民問題、宗教の自由、環境保全など多岐なテーマに触れられた。

世界人権宣言採択から70年を経た今も、多くの基本的人権が侵害されている状況を教皇は指摘。

その中でも第一に侵害されているのは「生命、自由及び身体の安全に対する権利」であると述べられた。

この権利を傷つけるものとして、戦争や暴力だけではなく、生まれてくる前から大人のエゴイズムで排除される命や、疎外される高齢者、暴力にさらされる女性、人身売買やあらゆる隷属の犠牲となる人々、特にその危険に晒されている難民など、現代社会の中の気付きにくい形の人権の侵害を挙げられた。

教皇は生命や身体の安全を守るために、すべての人に医療と必要な社会福祉が保証されることを希望。

また、生命を守るためには、何よりも平和構築に精力的に取り組まなくてはならないと説く教皇は、平和と軍縮の緊密な関係を示すと共に、紛争の解決は武力ではなく和平交渉によるべきという教皇庁の姿勢を改めて明らかにされた。

こうした中、教皇は、朝鮮半島における対話をあらゆる形で支えることが急務と述べ、対話によって現在の対立を克服する新しい道を見出し、相互の信頼を育み、朝鮮半島と世界に未来の平和を保証する必要をアピールされた。

教皇は同様に、シリアの長い紛争の終結や、イラクや、イエメン、アフガニスタン国内の和解と平和的共存への道を願われた。

さらに、イスラエルとパレスチナの最近の緊張に触れ、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地であるエルサレムについて、国連の解決を一致して尊重するよう招かれた。

教皇はこの他、ベネズエラ、南スーダン、コンゴ民主共和国、ソマリア、ナイジェリア、中央アフリカ、ウクライナにも紛争の解決と平和を訴えられた。

人権を守る上で、また未来の社会の発展のためにも、教皇は社会の基本的な核をなす家庭を保護し、支援することを助言された。

移民問題に関して、教皇は「自国その他いずれの国をも立ち去り、及び自国に帰る権利」という移動の権利を示すと共に、自分の祖国に残ることを望みながらも、差別や、迫害、貧困、環境破壊などの理由のために故郷を離れざるを得なかった人々の立場を思いやられた。

もう一つの重要な権利として、教皇は宗教の自由を挙げ、しばしばそれが認められないばかりか、新しい形の過激主義の正当化や、差別、迫害が見られることを憂慮された。

教皇は、社会の平和と発展のために、労働の権利の重要性を強調されたほか、一致した環境保護への取り組みを励まされた。

 








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