2018-01-01 11:56:00

教皇、原爆後の長崎で撮影された少年の写真をカードに


教皇フランシスコは、原爆投下後の長崎で撮影された少年の写真をカードにされた。

バチカンのオッセルバトーレ・ロマーノ紙によれば、教皇がカードに印刷することを望んだのは、米国の従軍カメラマンであった故ジョー・オダネル氏が、1945年、長崎で撮影した「焼き場に立つ少年」の写真。

この写真で、少年は原爆で亡くなった弟を背負い、火葬の順番を待っている。オダネル氏のカメラはこの少年をまっすぐに捉え、想像を絶する悲劇を背景に、尊厳を保つその姿をリアリズムをもって写し出している。

撮影から70年以上が経った今も人の心を揺さぶるこの写真に、教皇も大きな印象を刻まれ、これをカードにすることを希望された。

写真が印刷されたカードの下に、教皇は「…戦争がもたらしたもの」との、短く重い言葉を添えて、署名をされた。

スペイン語による写真の説明には、弟を失った少年の尊厳ある苦しみを強調し、「血がにじむまでに噛み締めた唇の表情から、苦しみが感じ取られる」と記されている。

教皇は、日頃から核兵器の問題に大きな関心を寄せており、昨年11月、バチカンで開催された核兵器廃絶と軍縮をめぐるシンポジウムに際しても、核兵器の使用が人類と環境にもたらす破壊的な影響を警告されている。

 

 








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