2017-08-22 16:24:00

バチカン国務長官パロリン枢機卿、ロシア公式訪問


バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、このたびロシアを公式訪問した。
 
パロリン枢機卿の訪問は、ロシア当局の招きに応えるもので、8月21日から24日の4日間に、プーチン大統領ら、同国政府要人との会談、キリル総主教ら、ロシア正教会指導者との会見、また、ロシアのカトリック教会の聖職者や信者らとの交流を行なう。
 
パロリン枢機卿は、2015年にベラルーシ、2016年にウクライナを訪れており、今年はロシアを訪問する。バチカンの国務長官のモスクワ訪問は、ソ連崩壊後、ロシア連邦が成立してから、今回が初めてとなる。
 
21日、モスクワに到着したパロリン枢機卿は、この訪問をロシア正教会・モスクワ総主教庁渉外局長、イラリオン府主教との会見からスタートした。
 
総主教座が置かれたダニーロフ修道院で、イラリオン府主教に迎えられたパロリン枢機卿は、ロシアの地を踏んだ感動を表した。
 
パロリン枢機卿は会見後、記者団に対し、この出会いが、和やかで、非常に建設的な雰囲気のうちに行われたと述べた。
 
ウクライナ問題や、ロシアにおけるギリシャ典礼のカトリック共同体の現状など、難しい現実はあるが、常に前向きな態度で話し合いが行われたことを明らかにした。
 
翌22日、パロリン枢機卿は、セルゲイ・ラブロフ外相と会談。
 
この中で同枢機卿は、バチカンとロシアの関係をより確かなものとするまたとない機会として、この訪問が実現したことを当局に感謝した。
 
これに対し、ラブロフ外相は、両国関係の発展を評価すると共に、テロや過激主義、諸宗教対話など、世界の諸問題を共に話し合うことができたと語った。
 
パロリン枢機卿は、会談後の記者会見で、中東やウクライナなど、世界で人々を苦しめている様々な紛争に対し、正しい、恒久的な解決の追求を願い、共通善と、正義、法治、市民の生活の安全と尊厳が常に優先されるようにと、アピールした。
 
そして、教皇庁はあらゆる政治的立場を意図することも、取ることもないが、国際法の原則を厳密に守り、世界の平和と秩序を守る義務を広く呼びかけたいと述べた。
 
パロリン枢機卿は、22日午後、ロシア正教会・モスクワ総主教キリルを訪問。
 
23日には、ソチでプーチン大統領との会談を予定している。







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