教皇フランシスコは、待降節最後の日曜日、12月18日、日曜正午のアンジェラスの祈りを唱えられた。
教皇はバチカンの聖ペトロ広場を埋めた信者たちに、聖母マリアと聖ヨセフのように、神の御子をわたしたちの日常生活の中に心から迎え入れるよう招かれた。
そして、クリスマス前のこの1週間、神の御子がお生まれになった馬小屋の前にしばし沈黙のうちにたたずみ、この祝日が示す神の大きな愛を黙想し、それを感謝と共に受け入れるよう励まされた。
教皇の説教は次のとおり。
「親愛なる兄弟姉妹の皆さん
聖母マリアは、聖霊の恵みによって、神の御子イエスを宿されました。神の御子は、聖母マリアのご胎内で人となられます。こうして神ご自身が一人の女から肉体を受け、人類に最も近い存在となられました。
これと同じことが、わたしたちの中でも別の方法で実現されます。日々、神は、恵みによってわたしたちの生活の中に入り、その御子を遣わすために、わたしたちに近づかれます。
そこで、わたしたちはどうしたらよいのでしょうか。神の御子を受けいれるべきでしょうか、それとも追い出すのでしょうか。
マリアのように、自分自身を歴史の主である神の御子イエスに捧げ、受け入れ、毎日、彼に従うことによって、わたしたちも世の救いのために協力することができるのです。それゆえ、神を見つめ、神に従おうとするわたしたち皆にとって、聖母マリアは最高の模範です。 神はわたしたちに近づき、愛のご計画を実現されるのです。
マリアの傍らに、もう一人の重要人物がいます。聖ヨセフです。聖ヨセフは、マリアの懐胎の意味が分かりません。疑問と苦悩の中にあるヨセフに、神ご自身が天使を通して、聖母の懐胎の真の意味を明かし、彼に光を与えます。神の遣いは、マリアから生まれる子は聖霊の働きによるのだと、聖ヨセフに告げました。
このような特別な出来事を前に、ヨセフの心には多くの疑問が湧き上がったことでしょう。しかし、ヨセフは彼に近づく神を完全に信頼します。そして、神の勧めに従い、マリアを妻として迎えます。
聖ヨセフはマリアを受け入れることによって、神の不思議な働きによってマリアの胎内に宿された神の御子自身をも受けいれるのです。神に不可能なことはありません。聖書によれば、ヨセフは謙遜で正しい人でした。ヨセフは彼自身の行いによって、わたしたちに神にいつも信頼することを教えています。ヨセフは、喜んで神に従うことを教えてくれるのです。
マリアとヨセフは、その信仰によって、最初に神の御子イエスを迎え入れる人になりました。そして、わたしたちをも主のご降誕の神秘の中に導き入れてくれます。マリアは、具体的な生活の中にイエスを迎え入れることを教え、ヨセフは神のみ旨を常に求めるようわたしたちを励ましてくれます。
わたしたちと共におられる神エンマヌエルをお祝いするクリスマスの神秘を前に、わたしたちも聖母マリアと聖ヨセフのように、人類に自ら近づかれる神を心からお迎えしましょう」
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