2016-10-14 16:35:00

教皇 : 世界難民の日メッセージ 「難民児童は声なき弱者たち」


2017年1月15日に「世界難民の日」が記念される、教皇フランシスコはその日のためのメッセージをすべてのキリスト者と全世界に向けて発表され、戦争や貧困、また自然災害から逃れるため、一人で故郷を離れ難民とならざるをえない多くの子供たちに手を差し伸べる必要性を強調されている。

「イエスははっきりと言っています、わたしの名において子供たちを受け入れるものはわたしを受け入れるのである。そしてまたつけくわえています、わたしを信じるこれら小さき者たちの一人でもつまずかせる者は海の深みに投げ入れられた方がよい、と。

これらはすべて、子供たちを幼児売春やポルノグラフィアに利用したり未成年労働の奴隷にしたり、あるいは少年兵として戦闘に加担させたり、また麻薬売買の片棒を担がせたりする、心無い大人たちに対するイエスの厳しい断罪の言葉です。この子供たちはこの地獄のような状態や戦禍から逃れ、やむなく故国を捨て、全くの孤独の中に放置されます。難民とならざるを得なかったこの見捨てられた小さな子供たちのことを思うと、胸も張り裂けんばかりです。大声で叫びたい。一人ぼっちで多くの大人の中に混じって難民となるこの子供たちのために何かしてあげくださいと。この子たちは3重の意味で無防備です。まず未成年であること、そして特に一人ぼっちであること、そして外国人であること。自分たちでは何もできません。様々な理由で家族たちからその愛情からも離れて故郷を離れて難民となることを強いられた子供たちです。

どの様にしてかれらを守ってあげられるでしょうか。この子たちを保護し、受け入れ、そして将来を見越した解決が必要です。まずこの子供たちを悪利用する良心の一かけらもない人でなしたちから守ることです。また子供たちを奴隷のように酷使する様々な形での奴隷制を打ち壊すことです。そしてさらに難民たちとかれらを受け入れる共同体との協力体制を強化することです。

かれらを受け入れるために経済的な基盤も不可欠です。小さな難民たちを受け入れ、彼らの安全性を保障する代わりに、この子供たちの入国を阻止したり、まだ安全性が確保されていない彼らの祖国に送り返したりするのは、さらに心ない大人たちの不法行為を助長することにもつながります。

難民たちの流入をコントロールし国内の善をも保護するというのは各国の責任であり権利でもあります。そこにも常に小さな難民たちの尊厳を大切にする態度が不可欠です。

長続きする解決策のために、難民を受け入れる側だけの努力だけではなく、難民を生じさせている国々のその原因となる諸問題を解決する努力がなによりも必要です。そのためには国際社会の惜しみない協力をもって、人々が逃げ出さなければならないような状況、戦争や暴力、貧困などの問題を解決に導くこと、正常な発展を遂げ人類の未来の希望そのものである子供たちの善を促進することが肝要です。

そのためには皆の協力援助が必要です。皆さんの貴重な援助なしには何もできません。教会も皆さんを必要とし、またそのための支えを惜しみません」。








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