2016-07-31 17:42:00

WYDクラクフ大会:閉会ミサ、教皇「イエスと共に世界を変えよう」2019年大会はパナマで


ポーランドで開催されていたカトリック教会の「第31回世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)クラクフ大会」は、7月31日、教皇フランシスコによる閉会ミサをもって終了した。

クラクフ郊外の「いつくしみのキャンパス」でとり行われた閉会ミサには、ポーランド警察の発表によれば、およそ150万人が参加した。

教皇はこのミサで、イエスに信頼し、世界を変えようと呼びかけ、正義と平和に満ちた社会の構築に参加するよう、若者たちを励まされた。

説教で、教皇は徴税人ザアカイがイエスと出会ったエピソード(ルカ19,1-10)を観想。

徴税人の頭で、金持ちであったザアカイは人々から憎まれる存在であった。イエスがエリコを通りかかった時、彼はイエスがどんな人か見ようとしたが、背が低く、群集にさえぎられて見えなかった。走って先回りして木に登ったザアカイに、イエスは「急いで降りて来なさい。今日はぜひあなたの家に泊りたい」と言った。ザアカイはイエスを家に迎え、財産の半分を貧しい人々に施すと言った。

教皇はこのエピソードで、特にザアカイがイエスに会うまでに乗り越えた様々な妨げについて考え、それらはわたしたちがイエスと出会うためにも当てはまることと述べられた。

まず教皇は、ザアカイがその背の低さゆえにイエスを見ることができなかったことについて、わたしたちも自分の自信の低さのために、自分はイエスにふさわしくないと思い込んでしまうと話された。

しかし、「神はありのままのわたしたちを愛され、わたしたちの罪や欠点や過ちによって神の考えが変わることはない。イエスは誰一人、見下したり、無用に思うことはない。神の目にとって、あなたは測りきれない価値がある」と教皇は説かれた。

また、ザアカイは木に登る前に、自分の立場を考えて、恥ずかしさのために躊躇したであろうと教皇は指摘。しかし、ザアカイが恥を乗り越えることができたのは、イエスに惹きつけられる力の方が強かったからであると話された。

さらに教皇は、イエスに呼ばれたザアカイが「急いで降りてきた」ことにも注目。

よい好奇心を保つことの大切さを教皇は説き、人生は引き出しの中にしまっておくものではない、イエスの前でただ座って待っていてはいけないと述べられた。

ザアカイがイエスに会うまでの障害は、彼自身の問題だけでなく、彼を取り巻く環境にもあった。人々は最初ザアカイがイエスを見るのを妨げ、イエスが彼の家に行くことになると、「あの人は罪深い男のところに行って宿を取った」と、皆でつぶやいた。

教皇は、真にイエスを受け入れることはいかに難しいかと述べつつ、皆を愛しながら、悪より強く生き、神のいつくしみの温和で謙遜な力を信じるあなたがたを、たとえ人が笑っても、決して恐れてはいけないと話された。

そして、「憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける」(マタイ5,7)というイエスの言葉を思い起こすようにと勇気付けられた。

「イエスはわたしたちの心、あなたの心をご覧になる」と話す教皇は、このイエスの眼差しのもと、善を求めながら、清い心を保ち、正直さと正義のために平和的な方法で闘い、新たな人類を築いていって欲しいと、若者たちに期待された。

ミサの終わりに教皇は、次回、2019年のWYD国際大会の開催国として、パナマの名を発表された。

そして、教皇は若者たちが神のいつくしみの使徒となり、証し人となれるよう聖霊の照らしと支えを、聖母に取次ぎに託して祈られた。

教皇は、同日午後、WYDクラクフ大会のボランティアと実行委員らとお会いになり、心からの感謝を述べられた。

こうして5日間にわたるポーランド司牧訪問を終えた教皇は、クラクフ・バリツェ空港での送別式を経て、帰国の途につかれた。

 

 

 








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