2016-05-30 17:30:00

「対話を恐れず、橋を架けよう」教皇、大学関係者らに


教皇フランシスコは、5月29日、「スコラス・オクレンテス」の会議参加者とお会いになった。

「出会いの学校」を意味する「スコラス・オクレンテス」は、教皇フランシスコがブエノスアイレス大司教時代から推進する教育ネットワークで、すべての青少年に教育の機会を提供し、若者たちの自立と平和の推進者としての成長を支えるために、皆が力を出し合うことを目指してきた。現在は教皇庁立基金として、その活動の輪を広げている。

このたびバチカンで開催された会議では、スコラス・オクレンテスのネットワークに参加する40の大学から教育者・学生をはじめとする代表者らが集い、「大学・学校間、壁か、橋か」をテーマに発表・討議が行われた。

教皇は参加者への挨拶で、分裂する今日の世界において、「出会うこと」「橋を架けること」の重要性を強調された。

人々がばらばらになる時、家族・友人もばらばらとなり、分裂の中では敵意や憎しみだけが育つと述べた教皇は、社会的・兄弟愛的友情、出会いの文化が、人類を切り捨ての文化から救うことになると話された。

また、教皇は、人間一人ひとりがアイデンティーを持つことの必要を指摘。所属のないところにはアイデンティティーは育たない、人々が家族や共同体など、何かへの所属感を持つことが大切と話された。

また、この会議では、学校における「いじめ」問題もテーマとして挙げられた。

暴力には深い残忍さが潜んでいると述べた教皇は、世界に満ちる残酷さの代表が戦争であると述べられた。

そして、暴力やいじめを止めるためには、こうした残酷さを根本から無くす新しい世界を構築しなければならないと呼びかけられた。

教皇は対話を恐れてはいけないと説き、言い合いの中では誰かが勝ち、誰かが負けなければならないが、対話においてはすべての人が勝者で、敗者はいない、相手に耳を傾け、その立場を理解し、橋を架ける能力が必要とされていると話された。








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