教皇フランシスコは、ローマで行われた地球環境を考えるイベントを訪問された。
「地球のための村」と題されたこのイベントは、4月22日の「アースデー」を機会に、持続可能な発展と地球への愛をテーマに、25日までローマ市内のボルゲーゼ公園で開催された。
24日午前、「少年少女たちの聖年」のミサをバチカンで捧げられた教皇は、午後からこのイベントにサプライズ参加された。
主催者や市民への挨拶で、「皆さんがしていることは、砂漠の広がるところ、すなわち希望のない場所を、森に変えることだと思います」と述べた教皇は、偏見や恐れなどによって、都市の中にも、人々の生活の中にも砂漠が広がっていると指摘。
福音書の「善いサマリア人」のたとえ(ルカ10,30-37)で、追いはぎに襲われ、負傷して倒れている人を見て、レビ人と司祭は関わりを持たないように道の向こう側を通っていったことを教皇は思い起こしながら、「危険を冒さない人は、現実に決して近づくことができません」と話された。
「近づくことは危険でもあるが、また一つの機会でもある」と教皇は話し、矛盾や悪を解決するためにはそこから逃げてはならないと説かれた。
「道を歩く時、人々の顔を観察してごらんなさい。皆、心配した顔や、自分自身に閉じこもった顔をして、微笑がないでしょう」と教皇は話し、そこに足りないものは「社会的友情」であると強調。
社会的友情のないところには戦争があり、それのあるところには赦しと歩み寄りがあるとする教皇は、社会的友情の特徴はまた「無償性」にあると指摘。これに対し、人間を押しのけ、経済を中心に据え、金銭という「神」を崇拝する社会に警告を発せられた。
こうして教皇は、よりよい社会の構築のために「無償性」「赦し」などのキーワードを示すと同時に、「共に働くこと」の重要さにも言及。互いに尊重し合い、共に協力しながら、砂漠を森に変えるという奇跡を見ることができるようにと、人々を励まされた。
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