2015-09-24 17:33:00

教皇、米国連邦議会で演説、受容と対話を呼びかける


ワシントン訪問中の教皇フランシスコは、9月24日、米国連邦議会を訪問、上下両院合同会議で演説を行われた。

ローマ教皇が連邦議会で演説するのは、今回が初めてのこと。「わたしもこの偉大な大陸の息子です」と述べた教皇は、皆がこの大陸から多くを受けたのと同時に、共通の責任を負っていると説き、すべての米国国民に向け、よりよい社会の構築のため、受容と対話を呼びかけられた。

演説の中で教皇は、米国の未来の構築のために、時には命の犠牲をも払いながら、大きな仕事をなしとげた人々の存在を思い起こされた。

そして、こうした人々を代表して、自由の擁護者エイブラハム・リンカーン大統領、すべての兄弟姉妹に完全な権利が保証されるよう、人々に「夢」を追求することを教えたマーティン・ルーサー・キング牧師、カトリック労働者運動の創立者で、信仰と福音に基づき、正義と、抑圧された人々のために闘ったドロシー・ディ、そして、観想と信仰の実を対話に変え、平和の種をまいた厳律シトー会の修道司祭トマス・マートンの、4人の名を挙げられた。

時に宗教の名をも利用して、暴力紛争、憎悪、残虐行為を広げる、今日の世界の不穏な社会・政治状況を憂慮された教皇は、いかなる宗教も人々を陥れたり、過激思想を持つことは赦されないと強調。

現在進行中の経済・地域政治の危機に対し、わたしたちは、希望と癒し、平和と正義をもって答えていかなければならないと話された。

教皇は移民問題について、この大陸の市民は多くが外国人であったのだから、外国人を恐れる必要はない、「隣人に背を向けないように」新しい世代の人々を教育することが大切と説かれた。

第2次世界大戦以降、これほどの規模の移民現象はなかったが、この挑戦に対して、人間的で、正しく、兄弟的な対応をしなくてはならないと、教皇は述べられた。

また、教皇は死刑制度廃止にも言及。一人ひとりの人間の聖なる命、不変の尊厳を見つめ、社会が犯罪者たちの更生に取り組むよう望まれた。

経済危機がグローバルな連帯精神を失わせることがないようにと願う教皇は、貧困や飢えの悪循環に陥った人々に希望を与え、共通善と環境に配慮した受容的で、持続可能な新しい経済モデルの必要性を訴えられた。

今こそ「いたわりの文化」を実現するために勇気ある行動を起こす時と教皇は述べ、自然を守り、貧困と闘うよう呼びかけられた。

教皇はまた、社会における家庭の中心性、家庭生活の素晴らしさ、豊かさを再確認すると同時に、未来への希望を見出せない若者たちの問題を、わたしたちの問題として、それに共に向かい合っていくよう招かれた。

 

 








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