2015-08-31 14:03:00

レバノンで殉教者メルキ司教の列福式、教皇「信教の自由の保証を」


レバノンで8月29日、殉教者フラビアーノ・メルキ司教(1858–1915)が列福された。

福者フラビアーノ・ミケーレ・メルキ司教は、カトリック・シリア典礼の司教として、司牧と宣教、貧しい人々への奉仕に尽くし、第一次大戦下のオスマン帝国におけるキリスト教徒迫害により殉教した。

メルキ司教は、トルコ(当時オスマン帝国)のマルディン近郊のシリア正教会の家庭に生まれ、後、カトリック・シリア典礼へと改宗(転会)した。1883年、アレッポで司祭叙階。貧しい小村の巡回教会を司牧しながら人々を励まし、自分自身も貧しさに徹した。1913年、ガザルタ(現在のトルコ・ジズレ)の司教に任命され、ベイルートで叙階。教会や学校を創立し、熱心な司牧と宣教を続ける一方で、他の教派との対話と友好を育んだ。2年後、オスマン帝国政府によるキリスト教徒への激しい迫害の最中、他のキリスト教の指導者たちと共に逮捕された。命と引き換えに棄教を迫られたが、自分の信仰と信者たちを司牧する義務を捨てることはできないと、それを拒否。1915年8月29日、銃殺され、遺体はチグリス川に投げ捨てられた。

メルキ司教の殉教からちょうど100年が経った今年8月29日、レバノンのハリッサで、カトリック・シリア典礼アンティアオキア総大司教イグナス・ユシフ3世ヨウナンにより同司教の列福式がとり行われた。

教皇フランシスコは、8月30日、バチカンで行われた日曜正午の祈りで、メルキ司教の列福を報告。キリスト教徒に対する恐ろしい迫害の中にあっても、人々の権利を守り、信仰に固く留まるよう信者たちを励まし続けた同福者を思い起こされた。

今日も中東をはじめ世界各地でキリスト教徒たちが迫害され、殉教者は過去の世紀を上回っていると述べた教皇は、メルキ司教の列福が苦しむキリスト者たちに慰めと勇気、希望を与えることを願われた。

また、教皇はこの機会に、どこにおいても信教の自由が保証されるよう、また各地で広がる暴力と横暴に終止符が打たれるよう、国際社会に具体的な行動を呼びかけられた。

 

 

 








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