2015-06-22 12:39:00

トリノ:教皇、聖ヨハネ・ボスコの墓前で祈り、病者、若者たちとの出会い


教皇フランシスコは、6月21日午後、訪問先のトリノで、サレジオ修道会関係者および病者や若者たちとの集いを持たれた。

このたびの教皇のトリノ訪問の主な目的の一つは、青少年の教育に尽くし、サレジオ修道会を創立した聖ヨハネ・ボスコ(ドン・ボスコ、1815-1888)の生誕200年を祝うことにあった。

トリノ市内ヴァルドッコは、ドン・ボスコが、1846年、貧しく、行き所のない少年たちのために最初のオラトリオを創設し、青少年司牧のための本格的な活動を開始した場所である。この地にそびえる扶助者聖母大聖堂は、青少年を聖母の保護に委ねることを願い、ドン・ボスコ自身が建立を望んだもので、1867年に完成、翌年献堂された。

扶助者聖母大聖堂を訪れた教皇は、聖ヨハネ・ボスコの墓前で祈りを捧げられた。

そして、教皇はサレジオ会とサレジアンシスターズ(扶助者聖母会)はじめ関係組織の会員らに挨拶をおくられた。

教皇ご自身、ブエノスアイレスのサレジオ会の小学校に通っていたこともあり、教皇は打ち解けた雰囲気で、ご自身の家庭とサレジオ会の思い出などを語られた。

ドン・ボスコの霊性を受け継ぐサレジオ会の会員たちから学んだこととして、教皇は「情緒性・愛情深さ」を挙げ、ドン・ボスコが若者たちに愛情を伝えることができたのは、ドン・ボスコ自身が母マルゲリータの愛情と献身に支えられていたからであると話された。

また、サレジオ会の学校で学んだもう一つのことは「聖母への愛」であると述べた教皇は、ドン・ボスコが示した3つの愛、「聖体」「聖母」「教皇」への愛を思いこしながら、中でも「教皇への愛は、すなわち教会への愛である」と強調された。

ドン・ボスコの時代と今日の様相は違っていても、青少年が置かれている状況は同じであることを教皇は指摘しながら、貧しい若者たちが危機の中を生き伸びるための職業教育、現代の危機の形に合わせた創造的な教育を一つの挑戦とし、若者たちに「喜び」をもたらして欲しいと、会員らを力づけられた。

続いて、ドン・ボスコ同様、トリノを代表する多くの聖人たちの一人で、貧しい人々・病者に奉仕した聖ジュゼッペ・コットレンゴ(1786-1842)が創立した「神の御摂理の小さな家」を教皇は訪問。ここで高齢者や、病者、障害者らとお会いになった。

教皇は、貧しい人々や世話を必要とする人々を排除する文化に対し警告を発すると共に、これらの人々は教会を形作る貴重な存在、わたしたちが愛をもって触れ、奉仕させていただく十字架のキリストのからだであると話された。

トリノ訪問初日の最後の行事として、教皇は若者たちとの出会いを持たれた。

ヴィットリオ広場を埋め尽くす、ピエモンテ州全教区の青少年たちに、教皇は「愛をもって、人生をいっぱいに生きること」「世間の風潮に恐れず対抗していくこと」を願われた。

福者ピエール・ジョルジョ・フラサッシ(トリノ、1901-1925)の「老いるのではなく、生きる」という言葉を引用しながら、教皇は「20歳でもう心が年老いたような若者たちは悲しい。若者たちが老いないためには、愛したいという望みが必要」と話された。

「愛はその場限りのロマンティックな感情ではなく、対話の中に育まれ、他人のために自己を犠牲にする力を持つもの」「愛は人を尊重するもので、人を利用するものではない」と述べた教皇は、享楽だけをうたうこの世界にあって、「貞潔であること」を非常に大切なこととして、若者たちに示された。

 

 








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