2015-06-06 18:10:00

サラエボ訪問:「平和のため、愛するために、記憶を大切に」教皇、教会関係者との集いで


教皇フランシスコは、6月6日、司牧訪問先のサラエボで、ボスニア・ヘルツェゴビナの教会関係者とお会いになった。

サラエボのカトリック司教座聖堂で行われたこの集いには、司祭・修道者・神学生らが参加した。

司祭、修道者、修道女の代表3人が、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の信仰の体験を語ると、教皇は感動したご様子で、原稿を用いずに参加者らに語りかけられた。

教皇は、これらの体験は国民の記憶であり、その歴史を忘れてはならないと述べ、それは復讐するためではなく、平和を作るため、彼らが愛したようにわたしたちもまた愛するためであると話された。

教皇は、人々が体験を語る中で「赦し」という言葉を繰り返していることを指摘。「主に自らを捧げる人々が赦しを知らないならば、その人の奉献生活に何の意味があるだろうか」と問いながら、「口喧嘩した友人を赦すのはたやすいが、自分を拷問・蹂躙し、殺そうとした人々を赦すことは難しい。しかし彼らはそれを赦すことができ、皆にも赦しを説いている」と、赦しの難しさと大切さに触れられた。

強制収容所での過酷な体験は、キリストの十字架の体験であると述べる一方、敵の兵士から梨をもらった話、イスラム教徒の女性から食べ物を分けてもらった話に、教皇は「わたしたちは皆兄弟、皆が神の子です。すべての人が善の種を持っているのです」と話された。

これらの体験は残酷なものであるが、今日も世界中の紛争でこの残酷さが繰り返されていると述べた教皇は、「皆さんは常にこの残酷さの反対であってください。優しさ、兄弟愛、赦しを示し、そしてキリストの十字架を担いでください。母なる教会は皆さんが小さき者、小さな殉教者、イエスの十字架の証し人となることを望んでいるのです」と、教会関係者らを勇気付けられた。








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