2015-01-17 14:20:00

フィリピン訪問:教皇、台風被災地のタクロバンでミサ


教皇フランシスコは、17日、フィリピン・レイテ島タクロバンとパロを訪れ、台風の被災者たちを励まされた。

2013年11月の台風で壊滅的被害を受けた地域への訪問は、教皇の以前からの願いであり、このたびのフィリピン司牧訪問の重要な目的の一つとなっていた。

教皇は空路でタクロバンに到着、空港隣接の敷地で市民参加のミサをとり行われた。

折りしも台風1号のため、現地は強い雨と風に見舞われ、教皇をはじめ皆が雨具を身につけての参加となったが、およそ20万人の信者らは悪天候にも負けず、教皇の言葉に熱心に耳を傾けていた。

説教で教皇は、「あの台風から14ヶ月経ち、今日、ここにわたしたちがいるのは、わたしたちはイエスの信仰において失望しないという確信があるからです」「わたしは皆さんに、主であるイエスは決して皆さんを失望させないと言うために、ここに来たのです」と話された。

「皆さんの多くはすべてを失いました。わたしは皆さんに何と言葉をかけるべきかもわかりません。しかし、イエスはそれができます。イエスは皆さんに語りかけることができるのです。」

「皆さんはキリストを見つめながら、『主よ、なぜ』と尋ねるでしょう。そして、イエスは皆さんの一人ひとりの心にお答えになるでしょう。イエスを見つめましょう。イエスは主です。イエスにはわたしたちがわかります。わたしたちが体験したすべての試練をご自身が体験されたからです。」

「十字架につけられたイエスの下には、聖母マリアが立っていました。苦しみの時、悲しみの時、何もわからない時、わたしたちは手を伸ばして母につかまる子どものように、聖母につかまりながら、『お母さん』と叫ぶのです。」

このように話された教皇は、キリストを見つめ、聖母にゆだねながら、沈黙のうちに祈り、心の声に耳を傾けるよう招かれた。

そして、教皇はまた「わたしたちは一人ではありません。わたしたちにはイエスと母がいます。そしてわたしたちにはこの惨事の中にも助けに来てくれた多くの兄弟たちがいます。わたしたちも互いに助け合いながら、より兄弟の絆を深めることができるのです」と、連帯と助け合いを呼びかけられた。

ミサに続き、教皇はタクロバンの近郊で、同様に深刻な台風被害を受けたパロに向かわれた。

パロの大司教館に到着された教皇は、ここで台風の被災家族らとお会いになった。

この後、「教皇フランシスコ・センター」と名づけられた貧しい人々のための施設を教皇は祝別。

さらにパロのカテドラルで、現地の司教・司祭・修道者、そして台風の被災者らとの短い出会いを持たれた。

台風接近に伴い、風雨が強まり、空路の安全が心配されたため、教皇は人々との別れを惜しみながらも、予定を早めてマニラに戻られた。








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