2015-01-14 12:30:00

教皇、スリランカでヨセフ・ヴァズの列聖式


教皇フランシスコは、14日、訪問先のスリランカで列聖式を行われた。

コロンボ滞在2日目、教皇はスリランカでの最初の宗教行事として、インド洋に面した緑地帯、ゴール・フェイス・グリーンでミサを捧げられ、この中で同国の宣教に尽くしたヨセフ・ヴァズを列聖された。

ヨセフ(ジョセフ)・ヴァズ(1651-1711)は、当時ポルトガル領であったゴア(インド)の、ポルトガル系の家庭に生まれた。

1676年、ゴアで司祭に叙階され、後にフィリッポ・ネリのオラトリオ会に入会。当時、オランダの支配下にあったセイロン島(現在のスリランカ)で、カトリックの司祭たちが追放され、司祭が数十年間いないことを聞いたヴァズ神父は、セイロン島に潜入し、物乞い等に変装しながら、各地に潜伏していたカトリック信徒たちを探し出した。

病気や、逮捕、投獄など幾多の困難を乗り越えて、ヴァズ神父は宣教を続け、オラトリオ会の仲間たちの協力を得て、シンハラ語でキリスト教書籍を翻訳したほか、信徒の共同体に礼拝堂を作り、カテキスタや信徒の育成を行なった。

また、病者の世話をし、疫病の蔓延を防ぐための指導と支援を行い、現地の仏教徒たちとも地道に信頼関係を築いた。福音宣教にすべてを捧げ、疲労で動けなくなったヴァズ神父は、1711年、セイロン島のキャンディで、59歳で帰天した。

ヴァズ神父は、1995年、教皇ヨハネ・パウロ2世によって列福された。

この日、教皇フランシスコによってとり行われたミサには、およそ50万人の信徒らが参加、スリランカにおける偉大な宣教者の列聖を祝った。

教皇はミサの説教で、ヴァズ神父の宣教者としての素晴らしさは、その言葉と生き方そのものを通して人々を信仰へと導いたことにあるとしながら、聖ヨセフ・ヴァズに、スリランカの人々に対する神の愛と優しさの体現を見ることができると話された。

また、ヴァズ神父から、わたしたちは聖性に生き、和解の福音のメッセージを証しすることへの励ましを得るとも教皇は述べられた。

教皇は聖ヨセフ・ヴァズを模範また師と仰ぐべきこととして、3つの点を挙げられた。

一つは、イエス・キリストがいかなる場所でも知られ愛されるようにと、辺境に赴き、福音のためにあらゆる苦労をしのびながら、神の教会のために尽くす、ヴァズ神父の模範的な司祭としての姿。

次に、ヴァズ神父自身が神への愛に心を完全に開いているがために、平和への奉仕のために宗教の違いを乗り越え、助けを必要とするすべての人々と神の愛を分かち合うことができたこと。

そして、カトリック信者だけでなくすべての人々に福音的な愛徳をもって接し、多宗教という環境の中で、尊重と献身、忍耐と謙遜をもって福音の真理と素晴らしさを伝えた、聖ヨセフ・ヴァズの熱心で勇気ある宣教者としてのあり方、を示された。

聖ヨセフ・ヴァズの模範に倣い、信仰に強められ、この国の社会により平和と正義と和解がもたらされるよう貢献して欲しいと、教皇はスリランカのキリスト教徒に願われた。

           

           

 

 








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