2015-01-13 11:44:00

スリランカ・フィリピン訪問:教皇、コロンボで歓迎式「善をもって悪の克服を」


スリランカとフィリピンへの司牧訪問に出発された教皇フランシスコは、現地時間13日午前、第一訪問国スリランカに到着された。

今回のスリランカとフィリピンへの旅は、教皇フランシスコの海外司牧訪問(イタリアは除く)としては7回目となる。

なお、スリランカをこれまでローマ教皇が訪れたのは、パウロ6世の1970年、ヨハネ・パウロ2世の1981年と1995年の訪問がある。

コロンボ国際空港で行われた歓迎式の挨拶で、教皇はその自然の美しさから「インド洋の真珠」と呼ばれ、人々の温かさ、様々な文化・宗教の豊かな伝統で知られるスリランカを訪れた喜びを表された。

先日就任したばかりのシリセナ新大統領に教皇は祝意を伝えると共に、歓迎式に参加した諸宗教のリーダーらにも深い感謝を述べられた。

教皇は、スリランカ訪問の第一の目的を、同国のカトリック信者を励ますという司牧的な性質のものとし、滞在中の中心行事として、民族・宗教の違いを乗り越えてキリスト教的愛徳を実践した福者ヨセフ・ヴァズの列聖式をとり行う旨を説明。

その一方で、教皇はこの訪問のもう一つの目的は、長い内戦終結後に平和を模索するスリランカとその国民に対するカトリック教会の愛と関心を表すためと話された。

世界の多くの地域で続く内戦は今日の悲劇であると述べた教皇は、互いの違いや新旧の歴史的不和を克服する力の欠如が、民族・宗教間の緊張を生み、暴力を勃発させる原因となっていると指摘。

長い年月、内戦の恐怖を体験したスリランカが、現在、安定した平和を求め、過去の傷を癒そうと努めていることを励ましつつ、教皇は、紛争が残した敵意や不信の克服は、善をもって悪に打ち勝ち、和解・連帯・平和の精神を育てることによってのみ可能になると説かれた。

教皇はまた、様々な伝統宗教の信者たちは、この難しい和解と再生のプロセスにおいて、本質的な役割を担っていると述べ、すべての人の声が活かされ、互いの違いを受け入れ尊重できる一つの家族のような社会の実現を願われた。

国家の復興には、インフラ整備や物的供給が必要なのはもちろんであるが、何よりも必要なのは、人間の尊厳と人権の尊重、すべての人が受け入れられる社会の推進であると教皇は呼びかけ、スリランカの発展と平和を祈られた。








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