2014-12-21 18:33:06

教皇、米国とキューバの国交正常化交渉開始に喜び


米国とキューバが国交正常化に向けた交渉を開始することに対し、教皇フランシスコは喜びを表された。

バチカン国務省は17日の声明で、米国とキューバが国民のために、歴史に刻まれた困難を乗り越え、国交の正常化に取り組むという決断に、教皇は大きな満足を表明されたと伝えた。

そして、教皇フランシスコがキューバ、米国双方の大統領に書簡を送り、何人かの受刑者らの扱いをはじめとする共通の人道的問題の解決を促すと同時に、両国が新しい関係に向けて一歩を踏み出すことを呼びかけていたことを明らかにした。

また、バチカンは今年10月、両国の使節を招き、難しい問題をめぐる建設的対話の機会を設け、そこから双方に満足の行く解決が引き出されたという。

教皇庁は今後も、両国が外交関係を深めるための取り組みに、支援を惜しまない方針を明らかにした。

1961年以来、国交断絶していた両国の外交方針転換が発表された翌日の18日、教皇はバチカンで行われたモンゴル、バハマ、ドミニカ、タンザニア、デンマーク、マレーシア、ルワンダ、フィンランド、ニュージーランド、マリ、トーゴ、バングラデシュ、カタール各国の新任大使との出会いで、この出来事に言及された。

「大使の仕事は少しずつ、小さなことから進められますが、それはいつも平和を築き、人々の心に近づき、市民間に兄弟愛を育てるための仕事です。今日、わたしたちは皆喜んびに満ちています。長い間、離れていた二つの国の国民が、歩み寄りの一歩を示したからです。これは大使たち、外交によってもたらされたものです。これが皆さんの尊い仕事なのです」と教皇は話し、大きな喜びを示すと共に、大使らを励まされた。

歴代教皇とバチカンの外交部は、キューバ革命と長い冷戦時代、そして今日までキューバと米国の関係改善に配慮してきた。

ヨハネ23世は、1962年のキューバ危機の際、バチカン放送局のマイクを通じて、米国のケネディ大統領、ソ連のフルシチョフ首相に向け、人類のために平和を守るようにと呼びかけた。

ヨハネ・パウロ2世は、1998年、ローマ教皇として初めてキューバを訪問し、フィデル・カストロ議長と会見。ハバナで行われたミサの説教で、キューバ国民は自由に自分の信教を表明する権利があると述べると共に、「キューバは世界に向けて開き、世界はキューバに向けて開かなければならない」と訴えた。

また、ベネディクト16世も、2009年にキューバを訪問。ラウル・カストロ議長と会談を持つと同時に、フィデル前議長とも私的に会見した。この時、同教皇は「対立より和解・協力」へと態度を変えるよう促し、特にキューバに対する経済制裁を停止するよう、米国に強く呼びかけていた。








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