2014-02-11 18:03:14

前教皇ベネディクト16世の退位表明から1年


前教皇ベネディクト16世の教皇職からの退位表明から、11日で1年を迎えた。

この日、教皇フランシスコは、ツィッターを通して、「今日、わたしと共に、偉大な勇気と謙遜の人、ベネディクト16世のために祈ってほしいと思います」とメッセージを述べられた。

1年前の2013年2月11日、ベネディクト16世は、バチカンで開かれた枢機卿会議の席で、教皇職から引退する旨を発表された。

この際、ベネディクト16世は、この重要な決断を表明するにあたり、良心を神の御前で繰り返し確かめた後、自分が高齢のために教皇職遂行に適していないとの確信を得たと述べ、行為の重大さをよく自覚した上で、完全な自由をもって、2005年4月19日に枢機卿たちによって自分の手に託されたローマ司教の任務、聖ペトロの後継者の位(教皇職)を引退すると宣言された。

そして、ベネディクト16世は、同年2月28日午後8時、カステルガンドルフォの離宮において、教皇職から公式に退位された。

ベネディクト16世の退位と同時に、教皇空位期間に入り、この間、枢機卿総会が開催された。そして、同年3月12日、有権枢機卿らは、後任の教皇を選ぶコンクラーベを開始。2013年3月13日、教皇選挙2日目午後の投票で、アルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿が選出され、新教皇フランシスコが誕生した。

前教皇ベネディクト16世は、現在、バチカン市国内の元修道院で、祈りの生活をおくっておられる。

バチカン広報局長フェデリコ・ロンバルディ神父は、ベネディクト16世の引退後の生活について、現職時代のように公の場には姿を現すことはないが、祈りや読書、執筆など、高齢の聖職者としての普通の生活を送っておられ、身近な人々とお会いになり、対話や助言をされることもあり、霊的に豊かに過ごしておられると述べた。

また、教皇フランシスコと個人的に会って対話する機会もあるほか、電話やメッセージで連絡を取り合い、連帯的な関係にあると話した。

ベネディクト16世の退位発表から1年を振り返ったロンバルディ神父は、前教皇の教会の統治を考えた自由な決断と、深い精神性、勇気ある態度は、祈りに培われた落ち着きと力、信仰の目で見た教会のビジョンによるものであったと強調。

そして、今祈りをもって教会の歩みを共にするベネディクト16世のその精神的存在を、教会の歴史の長老たちの姿に重ねた。








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