2013-10-05 17:50:18

アッシジ訪問:聖フランシスコ大聖堂で教皇ミサ、世界の平和と自然の尊重を祈る


教皇フランシスコは、4日、中部イタリア・アッシジの聖フランシスコ大聖堂を巡礼、広場で信者たちとミサを捧げられた。

同大聖堂は、聖フランシスコ(1182-1226)の教皇グレゴリウス9世による列聖(1928年)の同年、アッシジを訪問した教皇自身によって礎石が据えられ、1253年、教皇イノケンティウス4世によって献堂された。バシリカは上部と下部の2層からなり、先に作られた下部はロンバルディア・ロマネスク様式、次いで建設された上部はゴシック様式に移行している。

大聖堂に到着された教皇は、コンベンツアル聖フランシスコ修道会関係者に迎えられながら上部バシリカから入堂され、さらに下部バシリカのクリプタ(地下礼拝堂)にある聖フランシスコの墓に降りられた。

教皇は聖フランシスコの墓前に黄と白の薔薇の小さな花束を捧げ、沈黙のうちにしばし祈られた。

この後、教皇は下部バシリカ前の広場でミサを捧げられた。

典礼暦で聖フランシスコが記念されたこの日、イタリアの保護者である同聖人を教皇と共に祝うために、地元ウンブリア州をはじめイタリア全土からおよそ5万人がミサに参加した。

「平和と善が皆さんにありますように」。教皇は聖フランシスコの精神を表すこの挨拶をもって説教を始められた。

「貧しい人々への愛」と「貧しいキリストに倣うこと」の2つが分かちがたく一致した聖フランシスコの生涯を思い起こされた教皇は、「今日の世界に同聖人が証しするものとは何か」を問う中で、3つのメッセージと祈りを提示された。

教皇は、聖フランシスコの第1の基本的メッセージは、「キリスト者であるとは、イエスと生きた関係を持ち、イエスを身にまとい、イエスと似た者となること」であると強調。

聖フランシスコのキリストに向かう歩みが、聖ダミアノ教会の十字架のイエスの眼差しとの出会いから始まったことを指摘しつつ、十字架のイエスを見つめ続けることで、人は再生され、新しい存在となると話された。

教皇は聖フランシスコに「十字架の前に留まり、イエスから見つめられ、赦され、その愛のうちに新たな人間として創造されることを教えてください」と祈られた。

また、聖フランシスコの第2のメッセージとして教皇は、「キリストに従う者は、真の平和を得る」ということを示された。

ただしその真の平和とは、この世ではなく、キリストのみが与えることができるものであり、フランシスコの平和とは甘い感傷でも、宇宙の力による一種の汎神論的な調和でもないと教皇は注意を促された。

聖フランシスコの平和とは、すなわちキリストの平和、「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」というイエスの掟を自らのくびきとして、柔和と謙遜をもって背負うことで見出されるものと説かれた。

そして教皇は再び「わたしたちに平和の道具となること、その平和が神から湧き出ること、主イエスがその平和をもたらすことを教えてください」と聖フランシスコに願われた。

教皇は聖フランシスコの3つ目のメッセージに、「神が造られたすべてのものに対する尊重」を挙げられた。

そして、「自然を尊重し、わたしたちがその破壊の道具となることがないように」、「すべての人を尊重し、流血の闘争を止め、憎しみのあるところに愛を、侮辱に赦しを、分裂に一致を」、「シリアや、中東、全世界で、暴力のために泣き、苦しみ、死んでいく人々の叫びに耳を傾けよう」と呼びかけられた。

教皇は「わたしたちの世界に調和と平和、被造物の尊重という恵みを神から得ることを教えてください」と聖フランシスコに改めて祈られた。








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