2013-09-26 18:49:54

来年度の「世界移民・難民の日」に教皇メッセージ「より良い世界に向けて」


2014年の「世界移民・難民の日」に向けて、教皇フランシスコのメッセージが発表された。

カトリック教会の「世界移民・難民の日」は、毎年典礼暦で「主の公現」後2番目の日曜日に行われる。来年は1月19日。1914年、教皇ピオ10世によって設立されたこの記念日は、2014年で第100回目を迎える。

今回の教皇メッセージのテーマは「移民・難民:より良い世界に向けて」。

歴史上かつてないほど人類間の相互依存・影響がグローバルなレベルで進んでいる今日、問題や課題をも含めて、これらの現象が人類家族の生活状態向上を本来の目的とするものであることに教皇は注目されている。

実際、移民現象はしばしば国家や国際社会の欠陥を表すものである一方、違いの尊重、受け入れの精神、資源の平等な分配、人間の尊厳の保護などに対する人々の意識を高めるものでもある。

また、直面する多くの危険や困難にも関わらず、移民・難民の心の中心を成しているのは「より良い未来」への希望である。

「より良い世界」とは何なのかと教皇は問いながら、それは単に「より多く持つ」のではなく、「より良く存在する」ことのできる世界ではないかと記されている。

そして、「移民・難民は人類というチェスの駒ではなく、様々な事情により祖国を後にせざるを得なかった人々、『より良く存在』するための正当な願いを共有する人々である」と述べている。

グローバル化した今日の世界においては、深い連帯と理解を持った平等で効果ある新しい方法で、移民現象の現実に対処する必要があると教皇は強調。

そのためには、国家間の相互の協力・信頼、社会・経済の不均衡の解消や、規範のないグローバル化への注意などが不可欠であり、全世界に広がるこの現象に自分だけの力で対処できる国はないと説いている。

さらに教皇は、正義と兄弟愛に満ちたより良い世界の構築には、移民に対する偏見を克服し、恐れや無関心、自己防衛の態度を改め、「出会いの文化」の基礎となる態度を育てなければならないと指摘。

教皇は、すべての人の顔にはキリストの顔が刻まれていることを信者たちに思い起こさせると共に、希望を失うことなく、連帯と友情の開かれた手に出会えるよう移民・難民のために祈られている。








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