2013-08-23 18:52:14

教皇フランシスコと西武文理学園中学校の生徒との出会い
「柔和と対話の精神を学びなさい」


猛暑の真っ最中の8月21日午前11時教皇フランシスコは日本からローマを訪れていた埼玉県の私立西武文理学園中学の生徒と先生たち約200人とバチカン教皇宮殿のサン・ダマゾの中庭で会われた。
教皇は生徒たちにイタリア語で「柔和)と「対話」の大切さについて次のように話された。


「皆さんこんにちは、
皆さん、イタリア語がわかるようですね。
皆さんのこの訪問は私にとってとても大きな喜びです。皆さんの今回の旅行が皆さんにとって実り豊かなものとなることを心から希望しています。いろいろな人々と出会うこと、また異なる文化に接すること、それは私たちにとっていつも大変有益なことです。それは私たちを成長させてくれるのです。

何故でしょうか。なぜなら、もし私たちが他の人々や異なる文化から隔離されているなら、私たちは今私たちが持っているものだけを持つことになります。それでは文化的に成長することは出来ません。しかし、もし私たちが他の人々や文化、別の考え方、他宗教に出会いに行くなら、私たちは私たち自身の殻の中から飛び出て行き、あの素晴らしい冒険、すなわち「対話」と呼ばれる冒険を開始するのです。

対話は成熟するために大変重要な要素です。なぜなら他の人々と出会うこと、他の文化に接すること他の宗教を知ることにおいて人ははじめて成長し成熟するからです。
もちろんそこには危険もあります。もし対話において自分自身の中に閉じこもったり、怒ったりするなら喧嘩になり得ます。これではだめです。なぜなら私たちが対話をするのは出会いを求めているためであって言い争いをするためではないからです。
では言い争いではなく対話をするために取るべき最も重要な態度はいかなるものでしょうか。それは「柔和」です。それは平和をもって他の人々、他の文化と出会う能力です。利口な質問をする能力です。たとえば、「何故貴方はこのように考えるのですか」「何故この文化はこうなのでしょうか」というようにです。最初は 他人の言葉に耳を傾けることからはじめます、それから自分が話すことです。これを全て「柔和」にすべきです。「あなたは私が考えているようには考えません。わたしもあなたの考えが私のとは違うことを知りました。でも私たちは友達です。あなたがどう考えているか私は聞きましたしそしてあなたも私がどう考えているかを聞きました」。

一つとても重要なことがあります。知っていますか。この対話こそが平和を作り出すのだということです。対話なしに平和はありえません。全ての戦争、 争い、解決できない問題はいつも対話の欠如が原因です。問題がある時、その時こそ対話が必要です。この対話こそが平和を作るのです。
これが今回の皆さんの対話の旅行に私が望むことです。対話することを学んでください。「この文化はどう考えるのだろうか、これはなんと美しいのだろう。私はこれが嫌い」このように考えてもかまいません。でも全ていつも対話しながらにしてください。
こうして人は成長するのです。私は皆さんにこのことを心から望んでいます。ローマ旅行を楽しんでください。

皆さんのため、またその学校のため、皆さんの家族たちのために心から幸せを願います。神様が皆さん皆を祝福してくださいますように。ありがとう」。








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