2013-08-13 18:21:35

「スポーツに人間性を」教皇、サッカー関係者に励まし、イタリア・アルゼンチン親善試合前に


教皇フランシスコは、13日、イタリアとアルゼンチンのサッカー関係者とお会いになった。

この出会いは、翌14日にローマで開催されるイタリア代表対アルゼンチン代表の親善試合を前にバチカン宮殿で行われたもの。親善試合は、アルゼンチン出身で、サッカーのファンである教皇フランシスコへのオマージュとして企画された。

教皇は両国の代表選手らに、「イタリアとアルゼンチン、どちらを応援するかわたしには難しいところですが、幸いにもこれは友好試合です。どうかそのとおりにお願いします」と挨拶。

「選手の皆さんは大変有名な存在です。人々は皆さんをグラウンド以外の場所でも注目しています」と教皇は述べ、選手たちが負う社会的な責任に言及された。

「美しさ」「無償性」「団結力」に欠ける試合は、たとえ勝っても力強さがないと指摘された教皇は、この3点に要約される真のスポーツ精神、そしてアマチュア時代の初心を決して忘れてはならないと、プロ選手たちに願われた。

そして「チャンピオン選手である前に、皆さんは『人間』です。有名人になっても、競技において、そして実生活において人間であり続けてください。人間とは『人間性』を持つ存在です」と助言された。

また、教皇はサッカー連盟関係者や指導者らに対し、「スポーツは重要です。しかし、それは本当のスポーツでなくてはなりません」と強調。スポーツの巨大ビジネス化に警告を発せられた教皇は、スポーツ関係者がすべて初心に戻る時、スタジアムは人間的に豊かに満たされ、暴力は消え、家族が安心して観戦できるものになると述べられた。

こうした中、教皇は子どもの頃、家族と共にブエノスアイレスの「ガソメトロ」(ボエド地区にあったサンロレンソの旧スタジアム)で試合を観戦した思い出を披露。試合後、両親と子どもたちと皆幸せな気持ちで帰宅したものだったと当時を回想された。

さらに、教皇は先日アルゼンチンの青年たちと電話で話したが、この親善試合のことに話題が及ぶと皆がそれぞれお気に入りの選手について熱心に述べ始めたことを紹介。

「このように、選手の皆さんは、良きにつけ悪しきにつけ注目の的なのです。皆さんが与える影響は強大です。どうかこれを心に留め、規則の遵守、尊重、他愛主義、社会平和の模範となってください」と改めて希望された。

続いて、選手たちから、教皇にオリーブの苗が贈られた。教皇は紀元2000年の大聖年に、当時のブエノスアイレスの大司教として同市の「5月広場」に子どもたちと一緒にオリーブを植えられている。このたび平和のメッセージとしてイタリア・アルゼンチン両チームから教皇に贈られたオリーブの苗は、バチカン庭園に定植される。

セレモニー終了後、教皇は両国のナショナルチーム選手たち一人ひとりと親しく言葉を交換された。








All the contents on this site are copyrighted ©.