2013-07-25 19:20:41

教皇、リオデジャネイロの更正医療施設を訪問「苦しむ人を抱擁し、手を差し伸べよう」


教皇フランシスコは、24日、リオデジャネイロの病院を訪問、薬物依存患者や医療関係者らとお会いになった。

「御摂理のアッシジの聖フランシスコ病院」は、フランシスコ第3会が運営する更正医療施設。薬物・アルコール依存患者の治療から自立支援までを行なうほか、エイズ患者や経済的事情を抱えた患者の受け入れも行っている。

病院の礼拝堂で祈られた教皇は、続いて施設の中庭で関係者との出会いを持たれた。

薬物依存からの脱却のために同病院で治療する若者たちの、挫折と絶望から希望へと向かうストーリーに耳を傾けられた教皇は、彼らを温かく抱擁され励ましをおくられた。

教皇は関係者への挨拶で、この日午前中に赴いた聖母巡礼地アパレシーダに次いで訪れたこの病院を「人間の苦しみの聖地」と表現。

「アッシジの聖フランシスコがハンセン氏病患者を抱擁した時、彼は、真の豊かさや喜びは、物を持つことやこの世の偶像を求めることではなく、キリストと兄弟たちに奉仕することと悟った」「その苦しむ疎外された兄弟はフランシスコにとって『光の仲介者』であった」と話された。

「聖フランシスコのように、わたしたちは助けを必要とする人を抱きしめることを学ばなければなりません」と述べた教皇は、薬物依存と闘うために関心や愛を必要とする状況が多くあることを指摘。

エゴイズムを優先する社会、権力や金の論理に従う「死の商人」などを非難しつつ、麻薬売買が生み出す暴力や苦しみや死を前に、全社会が勇気ある態度をとる必要を訴えられた。

麻薬の流通や薬物依存の影響を減少させるために必要なのは、ラテンアメリカのいくつかの国々が議論している麻薬の自由化ではなく、むしろ麻薬使用の背景にある問題への取り組みであると教皇は強調。青少年の教育や困難にある人々の支援の重要性を示された。

「抱擁だけでは十分ではありません。試練にある人、依存症の闇に陥った人に、手を差し伸べましょう」と教皇は皆に連帯を呼びかけると共に、依存症から立ち直るための闘いにある人々に「あなた方は上り坂の主人公です。誰もあなたの代わりにはなれないが、皆さんは一人ではありません。教会と多くの人たちがそばについています」と力強い勇気付けをおくられた。

この病院訪問に続き、教皇は翌25日午前には、リオデジャネイロのファヴェーラ(スラム街)の一つ、マンギニョス地区を訪問された。

ここで教皇は地元の司祭らの説明を受けながら地区を歩かれ、教会や家を訪問、サッカー場で住民との集いを持たれた。








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