2013-06-04 17:37:01

教皇、神に信頼した分かち合いの大切さを説く、シリアで拉致された人々の解放アピール、日曜の集いで


教皇フランシスコは、2日、日曜正午のアンジェラスの祈りを信者と共に唱えられた。

この日、イタリアはじめ多くの国々のカトリック教会は、「キリストの聖体(コルプス・ドミニ)」の大祝日を記念した。

集いの説教で教皇は、イエスの「パンの奇跡」(ルカ9,11-17)を観想された。

夜が近づくガリラヤ湖のほとりで、イエスと長時間共にいて空腹を抱えた群集を前に、彼らに食べ物を与えるようにと命ずる師に、弟子たちは驚きとまどう。彼らが持っていたのは、自分たちにも十分足りるかという、僅かなパンと魚だけであった。

「群衆を解散させればよい」という弟子たちの人間的・現実的態度に対し、イエスの態度は「この僅かな物から、神はすべての人に必要な物を引き出すことができる」という神への完全な信頼に満ちたものであったと教皇は説明。

イエスはパンと魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱えたが、聖体の秘跡を思わせるこの動作と祈りに、教皇は信者らの注意を向けさせた。

イエスが裂いて弟子たちに渡し、弟子たちが群衆に配ったそのパンと魚は尽きることがなかった。この奇跡の中心は、「増やすこと」以上に、信仰と祈りに支えられた「分かち合い」であり、「イエスのしるしは、人類に対する神のパン」であったと教皇は指摘。

弟子たちはイエスのメッセージをよく理解せず、群集と同様、熱狂をもってこれを一つの「成功」と捉えたが、ここにも、人間の論理と、奉仕・愛・信仰に基づく神の論理の違いを見ることができると話された。

教皇は、「コルプス・ドミニ」を祝うこの機会に、わたしたちが神の摂理における信頼を取り戻し、自分を閉ざすことなく、自分のできること、持っているわずかなものを分かち合うことができるようにと祈られた。

この集いで、教皇はシリアの紛争に触れ、すでに2年以上になるこの内戦が、特に正義のうちに平和を望む非武装の市民に被害を与えていることを憂慮された。

この悲劇的な状況が、シリアに死と破壊をもたらし、経済・環境に膨大な打撃を与えているだけでなく、拉致事件などをも生んでいることに教皇は言及。拉致された人々とその家族に祈りと連帯を約束されると共に、これらの人々の一刻も早い解放を呼びかけられた。

世界各地に様々な紛争がある一方で、多くの希望のしるしも見られると指摘された教皇は、特にラテンアメリカ諸国のここ最近の和解と平和のための歩みを励まされた。

また教皇は、この朝、平和維持活動に従事する何人かの兵士およびその家族とサンタ・マルタ宿舎でミサを捧げたことを報告された。「戦争で兄弟の血を流すことは狂気である。戦争はすべてを失い、平和はすべてを得る」と述べた教皇は、戦争による死者と負傷者、そしてその家族のために、沈黙の祈りを皆に呼びかけられた。









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