2013-02-17 17:43:18

「おごりや利己主義を捨て、愛に生きる」教皇、日曜の集い、多くの巡礼者に挨拶


教皇ベネディクト16世は、バチカンで17日、日曜正午の祈りを数万人の信者らと共に唱えられた。

これはベネディクト16世の11日の引退表明以来、教皇と信者らの初めての日曜の集いとなった。

バチカン宮殿の窓辺に立つベネディクト16世と共に正午に聖母への祈りを唱え、教皇の祝福を受けるのは、今回と、来週の日曜日のみとなるため、聖ペトロ広場とその周辺は、ローマ市関係者によれば、およそ10万人の巡礼者で埋まった。

広場の巡礼者たちは、各国の国旗や、ベネディクト16世への感謝と祈りを思い思いの言葉で表した横断幕などを掲げていた。

説教で教皇は、復活祭を前にした回心と償いの時である「四旬節」をテーマに、おごりや利己主義を捨て、愛に生きるために、心を新たにし、神と向き合うことの重要性を説かれた。

四旬節に入り最初の日曜日であるこの日、ミサ中、イエスが荒れ野を霊によって引き回され、40日間、悪魔から誘惑を受けたエピソード(ルカ4,1-13)が朗読される。教皇はこのイエスの砂漠での試練を観想された。

「イエスはこの試練の中で、誘惑者が提示するメシアの偽のイメージを拒否しなければならかった」と教皇は述べつつ、これらの誘惑が提示するものはまた「人間に対する偽のイメージ」でもあり、「いつの時代も、人の良心をわなにかけるもの」であったと指摘。

福音書が記すイエスへの誘惑の中心は、「成功や物質的な事項に重要性を与えながら、神を自分の利益のための道具とすること」であったと教皇は説かれた。

「誘惑者の欺きは、直接に人を悪に押しやらず、偽りの善に導き、権力と必要な物を得ることが真の現実だと思わせようとします」と教皇は述べ、こうした中で神は非現実的で、不要な、二次的な存在におとしめられてしまうと警告された。

そして、「このような誘惑には、信仰と神の存在がかかっています。従うべきは、自分か神か、取るべきは、個人の利益か真の善か? 人生のあらゆる時に、わたしたちは2つの分かれ道に立たされているのです」と話した教皇は、「悪の霊と闘うことを恐れることはありません。大切なのは、勝者であるキリストと共に立ち向かうことです」と信者たちを強く励まされた。

集いの後半、巡礼者への各国語での挨拶を通して、教皇はご自身と教会のために皆が捧げる祈りと、温かい愛情に感謝を述べられた。スペイン語では、次期の教皇のために、ドイツ語では、これから教皇参加のもとバチカン内で始まる四旬節黙想会のために、祈って欲しいと願われた。

最後に教皇はイタリア全土からやってきた多くの巡礼者、特に地元ローマの市民に親しみを込めて挨拶をおくられた。人々は広場に沸き起こる拍手と歓声で教皇に応えていた。

教皇はこの日の夕方から23日(土)午前まで、教皇庁で働く高位聖職者を対象とする一週間の黙想会に参加される。この間、教皇は謁見などの公務は行なわれない。








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