2012-11-12 18:42:11

教皇「年をとることは恵み」ローマの高齢者支援施設で


教皇ベネディクト16世は、12日、ローマ市内の高齢者支援施設を訪問された。

ジャニコロ地区にある「カーサ・ファミリア ヴィヴァ・アンツィアーニ 」は、カトリック系組織・聖エジディオ共同体によって運営される施設。

ここでは、独立した日常生活に支障のある人、住居や経済上の困難を抱えた人など、現在28人のお年寄りが、共同住宅を利用した、ごく一般的な「家」に近い、家族的な環境の下に暮らしている。

教皇は、欧州連合が主催する今年の「アクティブ・エイジングと世代間連帯のヨーロッパ年」を機にカーサ・ファミリアを訪問。

入居中の高齢者やボランティアの人々、歓迎のために詰め掛けた地元の信者たちと親しく交流されながら、「年を重ねることは恵みです」と、温かい励ましをおくられた。

「わたしは皆さんのもとにローマの司教として、また同年代の仲間として訪れました」と挨拶された教皇は、高齢と共に体験する様々な問題や、経済危機がお年寄りの生活に及ぼす困難に理解を表された。

「年をとると過去を懐かしみ、老いた自分に悲しみを感じることがあるかもしれない」と教皇は述べながらも、「寄る年波による苦労を知りつつ、すべてのお年寄りに確信を持って言います。高齢者でいることは素晴らしいことです」と強調。

「どの年齢にも神様の存在とその祝福があることを発見しなければなりません」「悲しみの中に閉じこもる必要はないのです。わたしたちは長い人生という恵みを受け取りました。高齢期にあっても、生きるとは素晴らしいことなのです」と、皆を励まされた。

教皇は、お年寄りたちは社会の宝であると指摘すると同時に、この人生の時期を神との関係をますます深める恵みの時とすべきと勧められた。

そして、祈りという貴重な手段を通して神に取り次ぐという役割を引き受け、教会のため、教皇のため、そして世界の貧しい人々のため、暴力のない平和な世界のためにぜひ祈ってくださいと、お年寄りたちに呼びかけられた。








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