2012-11-02 18:11:53

諸聖人の大祝日:教皇、システィーナ礼拝堂で前晩の祈り、天井画完成から500年


諸聖人の大祝日を翌日に控えた31日、教皇ベネディクト16世はバチカンのシスティーナ礼拝堂で前晩の祈りをとり行われた。

システィーナ礼拝堂はこの日、ミケランジェロの天井画完成から500年を迎えた。

ベネディクト16世は説教で、5世紀前の10月31日の夜、時の教皇ユリウス2世が完成したばかりのこの天井画の下で荘厳に捧げた諸聖人の大祝日の第一晩課に思いをはせると共に、ミケランジェロの「天地創造」から放たれる力強い「神の光」を観想された。

システィーナ礼拝堂を覆う一連のフレスコ画は、この場所が持つ、典礼という本来の目的の中でこそ、そのすべての美しさ、豊かさ、深い意味を最大限に表現すると教皇は強調。祈りを通して同礼拝堂の真の美しさを見つめるよう勧められた。

ユリウス2世の命によって、ミケランジェロが1508年から1512年にかけて1000平方メートルに及ぶ天井に描き上げた大作は、当時初めてこれを目にした人々をさぞ驚嘆させたことだろうと述べつつ、教皇はミケランジェロの同時代人ジョルジョ・ヴァザーリの『芸術家列伝』の記述を引用。

「この作品はまさにわたしたちの芸術にとって光であった。絵画芸術に多くの有益と輝きをもたらし、世界を照らし出すに十分であった」、ヴァザーリの「光・輝き・照らし」という言葉は、ここで500年前の晩課に参加した人々の感動に近いものだっただろうと話された。

教皇は、ここでいう「光」とは、ミケランジェロの傑作に躍動する豊かな色使いだけでなく、この礼拝堂全体を照らす「神の光」であると指摘。この神の光は混沌と闇に打ち勝ち、創造と贖いのうちに命を与えるものであり、システィーナ礼拝堂は、光・解放・救いの歴史、神と人間の絆を語っていると説かれた。

そして、巨匠ミケランジェロは、彼独自の強い表現をもって、創造主なる神とその業・力を描き、世界は暗黒や偶然の産物ではなく、神の知性と自由と至上の愛から創られたものであることを示してくれたと述べられた。

今晩、システィーナ礼拝堂で、このフレスコ画が語る人間と共に歩まれる神の歴史に包まれながら、天上のすべての諸聖人たちと共に、創造主、贖い主、生者と死者の審判者なる神に、賛美を捧げようと、教皇は皆を招かれた。








All the contents on this site are copyrighted ©.