2012-10-30 18:54:53

新福音宣教シノドス・閉会ミサ:教皇「人間は神の光を必要としている」


「キリスト教信仰を伝えるための新しい福音宣教」をテーマにした第13回通常シノドス(世界代表司教会議)は、28日、閉会ミサをもって閉会した。

同シノドスは、第2バチカン公会議開幕50周年、「カトリック教会のカテキズム」発行20周年を記念するものとして、今月7日から開催されていた。

この日バチカンの聖ペトロ大聖堂は、世界各国の司教たちをはじめとするシノドス参加者や、巡礼者たちでいっぱいとなった。

閉会ミサを司式された教皇ベネディクト16世は説教で、教会の福音宣教への使命を強調、すべてのキリスト者が信仰の光を改めて得ることで、喜びをもってイエスに従うことができるようにと願われた。

教皇はミサ中朗読されたマルコ福音書(10,46-52)の、イエスが目の不自由な物乞いバルティマイを癒すエピソードを観想。

エリコの町を弟子たちや群集と一緒に出発しようとするイエスに対し、道端に座っていたバルティマイは、憐れみを乞い叫び続ける。立ち止まって、彼を連れてくるように言ったイエスは、バルティマイに何をして欲しいのかと話しかけた。彼はイエスに、目が見えるようになりたいと言う。イエスは彼を癒され、見えるようになったバルティマイはイエスに従った。

教皇は、バルティマイとは、「現実を真に知り、いのちの道を歩むために、神の光・信仰の光を必要とする人間」、「自分の悪いところを知り、癒して欲しいと主に信頼して叫ぶ人間」の象徴であると話された。

キリストとの信仰に基づく出会いによって、失った光を再び得ると共に自分の尊厳をも取り戻したバルティマイは、イエスに従って新たに歩み始めた。教皇は、バルティマイの中にキリストの弟子とは誰であるかを見ることができる、それは信仰の光をもってイエスに従っていく者であると指摘された。

光を失い身を落としたバルティマイの姿に、福音が古くから伝えられた地域に暮らしながらも神から離れてしまった人々の状態を重ねられた教皇は、人々の弱まった信仰の光や火を生き生きと蘇えらせるために再び福音を伝える急務を話し合ったこのシノドスを振り返られた。

教皇は今回のシノドスから浮かび上がった司牧上のテーマとして、1)洗礼・堅信・聖体など秘跡に対する入念な準備の必要とゆるしの秘跡の重要さの確認など、秘跡に関する認識の強化、2)「新しい福音宣教」と「まだ福音を知らない人々に対する宣教」との間にある密接な結びつき、3)洗礼を受けていながらキリスト教的生活から離れている人々への司牧の、3つを挙げられた。

教会は、伝統的な、あるいは新しい司牧方法・表現・対話をもって、教会から離れた信者たちがイエス・キリストと再び出会い、信仰の喜びと信者としての生活の実践を取り戻せるよう特別な眼差しを注いでいると話された教皇は、善き羊飼いである主が、主ご自身と福音への熱意から来るこの努力を豊かに祝福してくださるに違いないと、全教会における新しい福音宣教への取り組みを励まされた。








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