2012-10-29 18:58:18

「新しい福音宣教」テーマのシノドス:最終提案を発表


「新しい福音宣教」をめぐる第13回通常シノドス(世界代表司教会議)は、27日、最終提案を採択した。

およそ3週間にわたる会議の実りとして採択されたこの提案は、計58の項目から構成される。これらの提案は、教会は新しい福音宣教を恐れず、勇気をもって見つめ、これを複雑な世界に福音を告げるための真の機会とするよう呼びかけている。

諸提案は、「新しい福音宣教の性格」「今日の教会の使命の背景にあるもの」「現代の状況に対する司牧的回答」「新しい福音宣教に関わり参加する人々」の、4つのグループに分けられ、これに序章と終章が加わる。

この中では新しい福音宣教を、教会の恒久的な使命、目覚めの時と位置づけ、現代における信仰のインカルチュレーションの重要さを強調しながらも、ポジティブな要素とネガティブなものを判断することが必要と述べている。

ここでは世俗化社会に注目し、キリスト者は世にありながら世に属さない者であるとしても、これに無関心でいることはできないとしている。

次に、福音を最初に告げることについての考察が続き、司教らはこれについての具体的なガイドラインを提示している。

グローバル化をはじめとする現代の挑戦において、福音は一つの人生のビジョンを、平和・美・真理・希望のメッセージとして示し、それによって人が現代の孤独から抜け出すことができるよう願っている。

戦争や暴力、個人主義の見られる今日の世界で、教会は和解を推進し、愛と正義のメッセージをもたらさなくてはならないと述べ、ここで人権擁護のためのあらゆる努力を説いている。

そして、特に宗教の自由を、良心の自由を含む人権の基本とみなし、それについての考察を展開している。

また、文書は、新しい福音宣教の手段としてのマスメディアや美術に注目するほか、移民問題、個人・共同の回心、一人ひとりの聖性への呼びかけ、教育の権利、成人のカテケーシスなどにも言及。

さらに、貧しい人や病者に対する配慮、ゆるしの秘跡の重要さ、民間信心や巡礼、教会への恵みとしての様々なカリスマ、教区や小教区の役割にも触れている。

提案書は、信徒や、女性、家庭の教会における役割にスポットを当てると共に、離婚者や同棲者、若者についても重要な関心を寄せている。

このほか、司祭の恒久的育成、修道者への励まし、カトリック以外のキリスト教教会、そして諸宗教との対話、さらには科学と信仰、神を信じない人々との対話の推進を提案、環境問題についても考察している。
教皇ベネディクト16世は、この提案書をもとに、シノドス後の使徒的勧告を記されることになる。








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