2012-10-07 17:10:34

教皇、「新しい福音宣教」テーマにシノドスを開会、ビンゲンの聖ヒルデガルドとアビラの聖ヨハネを教会博士に宣言


新しい福音宣教をめぐるシノドスが、7日、教皇ベネディクト16世司式のミサと共に開会した。

第13回通常シノドス(世界代表司教会議)は、「キリスト教信仰を伝えるための新しい福音宣教」をテーマに、この日から今月28日までバチカンで開催される。

同シノドスは、今年、第2バチカン公会議開幕から50周年、「カトリック教会のカテキズム」発行から20周年を迎えることを機に、教皇が「信仰の年」(2012年10月11日~2013年11月24日)と共に開催を望まれたもの。

教皇は聖ペトロ広場でとり行われたミサの中で、シノドスの開会を告げると共に、ビンゲンの聖ヒルデガルド(1098-1179)とアビラの聖ヨハネ(1499-1569)を新たに教会博士として宣言された。

ミサの説教で教皇は「新しい福音宣教」とは何かを考察された。

「教会は、福音宣教のためにある」と述べた教皇は、イエスの教えに忠実に従った弟子たちが善き知らせを広めるために世界中に赴くと共に、各地にキリスト教共同体を形成し、それがやがて教会となり、様々な状況の中で毎回刷新されたダイナミズムをもって宣教活動が行なわれていった歴史を回想。

そして、現代の教会に視点を移しながら、第2バチカン公会議が今日の宣教に霊的・司牧的に与えた大きな躍動力を改めて認識するよう招かれた。

第2バチカン公会議がもたらした新たな活力は、宣教上の2つの流れに豊かな影響を及ぼしたと教皇は指摘。

その一つは「ミッシオ・アド・ジェンティス」すなわち、キリストとその救いのメッセージをまだ知らない人々への宣教、そしてもう一つは、洗礼を受けながらも教会から遠ざかり、キリスト者としての実践を何ら伴わず生活している人々に向けた「新しい福音宣教」であると説明された。

教皇は、今回のシノドスはこの「新しい福音宣教」を考え、これらの人々が再び主と出会うことで、人生の深遠な意味を知り、平和で満たされ、個人・家庭・社会における喜びと希望の源泉である信仰を再発見するのを助けることを目的としていると話された。

福音宣教に活力を与えた第2バチカン公会議の理念の一つは、すべてのキリスト者が普遍的に聖性に呼ばれているという考えであると教皇は述べ、特にその聖性と福音宣教への召命を様々な形で表現してきた聖人たちの存在に注目。

この日、教会博士として宣言されたアビラの聖ヨハネとビンゲンの聖ヒルデガルドに言及しながら、これらの聖人が示したキリストへの忠実な愛と、教会に与えた大きな影響を紹介された。

「心からの回心無くしては、新しい福音宣教は語れない」と述べた教皇は、「神と隣人と和解することは新しい福音宣教への正しい道」「清められてこそ、キリスト者は神の子らとしての尊厳を取り戻すことができる」と深い回心の必要を説かれた。

教皇はシノドスの開始にあたり、この会議の実りを特に新しい福音宣教の模範であった福者ヨハネ・パウロ2世と、福音宣教の星である聖母マリアの保護に委ねて祈られた。








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