2012-09-10 14:21:57

「イエスはわたしたちを神と兄弟への愛に開く」教皇、日曜の集い


教皇ベネディクト16世は、カステルガンドルフォで9日、日曜正午の祈りの集いを持たれた。

説教で教皇は、この日の福音朗読箇所、イエスが耳が聞こえず舌の回らない人をいやすエピソード(マルコ7,31-37)を観想された。

イエスがティルスから、シドンを経由し、デカポリス地方を通ってガリラヤ湖にやって来ると、人々が一人の耳と口の不自由な人を連れて来て、この人を癒してくれるようにと頼んだ。

教皇はこのエピソードの中に、キリストのメッセージとそのすべての業を要約するとも言える、小さな、しかし大変重要な言葉があると指摘。

それは、キリストがこの人を癒すために群衆の中から連れ出し、耳と舌に触れ、天を仰ぎ深く息をついて言った「エッファタ(開け)」という言葉であると述べられた。

イエスが「エッファタ」と言うと、この人の耳は開き、舌のもつれが解けて話せるようになった。

イエスのおかげで、閉じて、疎外され、他とのコミュニケーションが難しかったこの人は他の人々と世界に対して「開いた」のであり、耳と舌という器官の解放から始まり、その人の全存在・人生が開き、新たなコミュニケーションの構築が可能になったと教皇は説かれた。

人間の閉ざされ、隔離された状態には、器官の感覚によるものだけではなく、人間の内面奥深く、聖書が言うところの「心」の閉塞があると教皇は強調。イエスはわたしたちを開き、解放し、神と人々との充実した関係を生きられるようにしてくださると話された。

自分の罪に対して内面的に聞こえず、話せない人間が、神の愛の声を聞き、自分もその愛を話すことを学ぶようにイエスは来られたと述べた教皇は、皆が信仰において「エッファタ」の奇跡を毎日体験し、神と兄弟たちとの交わりを生きることができるよう、主の愛に開いた人、聖母マリアの取次ぎを祈られた。








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