2012-08-09 15:32:17

「神に向かって心身共に祈る」聖ドミニコをテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、カステルガンドルフォで8日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中のカテケーシスで、教皇は、この日、典礼暦で記念された聖ドミニコを取り上げられた。

聖ドミニコ・デ・グスマン司祭(1170-1221)は、ドミニコ会の創立者。教皇は同聖人を思い起こす中で、特に彼の霊性の本質の一つである、祈りの生活に目を向けられた。

「祈りの人」であった聖ドミニコは、神に魅了され、人々の魂の救済、特に当時の異端者たちの回心を熱く望んだ。キリストに倣う者として、清貧・貞潔・従順の福音の3つのメッセージをそのままに、完徳の生活をし、神の御言葉を述べ伝えた。あらゆる時において、祈りは聖ドミニコの使徒職への力をより新たに、豊かにするものであった。

聖ドミニコの生涯をこのように振り返られた教皇は、彼の祈りの生活を示すものとして、「日中には、彼ほど快く人と接する者はおらず、夜には、彼ほど祈りに熱心な者はいなかった」という、聖ドミニコの後継者・ザクセンの福者ヨルダン(1190-1237)の証言を引用。

聖ドミニコの生活の中に、神の神秘の観想と使徒職的活動の、調和ある統合を見出すことができると指摘された。

聖ドミニコは祈りに関する記述を遺さなかったが、彼の内的体験を生き生きと語る、ドミニコ会士による著書「聖ドミニコの祈りの9つの方法」を、わたしたちの信仰生活に役立つものとして教皇は次のように簡潔に紹介された。

聖ドミニコによる9つの祈りの方法は、いずれも十字架のイエスを前に、心身共に観想と信仰の熱意を高めるように行われる。

はじめの7つの方法は、三位一体の神との交わりに向かう道を上がって行くように導いている。

聖ドミニコは、謙遜を表すために頭を下げて立ち、自分の罪の赦しを願うために地面に伏し、主の苦しみに参与するために痛悔しながらひざまずくと共に、至高の愛なる神を観想するために十字架と向き合い手を広げ、神の世界に引きつけられるように眼差しを天に向けていた。

教皇は、立ち、ひざまずき、伏せるという3つの祈りの姿勢によって神に向かって歩みながら、常に十字架のイエスを見つめることが大切と話された。

さらに後半の2つの祈りの方法は、聖ドミニコの信心業と結びつくもので、特に祈りをより深く、熱心で、心穏やかなものにする、個人的瞑想であると、教皇は説明。

聖ドミニコは、聖務日課を唱えた後や、ミサを捧げた後、時間を制限することなく神との対話を続けた。静かに座り、本を読んだり、十字架を見つめたりしながら、神に耳を傾けるように黙想していた。

また、彼は移動の間も祈っていた。旅の途中も仲間たちと時課を唱え、谷や丘を越えながら被造物の美しさを観想し、神に賛美と感謝を捧げていた。

聖ドミニコと祈りの関係は、キリスト者が家庭や社会の中で示すべき信仰の証しの源が祈りの中にあることを教え、さらに、祈る際の外見的姿勢もまた、神との内的対話を助けることに気づかせてくれると述べた教皇は、日常的に静かに祈る時間を持ち、休暇中など特に神との対話を深めるよう勧められた。








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