2012-07-02 19:18:06

聖ペトロ・聖パウロ大祝日:バチカンで教皇ミサ


カトリック教会の暦で、使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日を迎えた6月29日、バチカンで教皇ベネディクト16世によるミサが捧げられた。

使徒聖ペトロと聖パウロは、教会を代表する2本の柱であると共に、ローマで宣教し、殉教した2人は、ローマの保護聖人でもある。

このミサには、毎年のように正教会のエキュメニカル総主教府からの使節が参列したほか、英国聖公会のウエストミンスター・アベイの聖歌隊が初めて聖ペトロ大聖堂を訪れ、バチカンのシスティーナ礼拝堂付聖歌隊と一緒に美しい歌声を響かせた。

教皇はミサの始めに、ここ1年間に新しく任命された世界の首都大司教区の大司教らにパリウムを贈る伝統儀式を行われた。

パリウムは、毎年1月21日の聖アグネスの日に教皇によって祝別された子羊の毛を織り、それを幅4~6センチの帯状のバンドに仕立てたもので、白地に黒い絹糸で6箇所に十字架が刺繍されている。カズラ(祭服の一種)の上から首を通して両肩にかけるこの肩被は、羊を肩に乗せた「善き羊飼い」の姿を象徴している。

教皇はミサの説教でバチカンの聖ペトロ大聖堂前の左右に置かれた聖ペトロと聖パウロの2つの大きな彫像について触れながら、キリストの福音を伝える上で切り離せない両使徒の関係を強調。

旧約聖書中のカインとアベル、神話的にローマの建設者といわれるロムルスとレムスらの、「兄弟」のあり方に対して、ペトロとパウロは生まれも、その役割も違っても、キリストに結ばれた「新しい兄弟」のあり方を確立させたと、教皇は述べられた。

そして、キリストに従うことでのみ得られるこの新しい兄弟の形、兄弟愛は、すべてのキリスト者のあり方、また教会全体のあるべき姿を改めて考えさせるものであると説かれた。

教皇はこの日パリウムを受け取った大司教らに、パリウムが彼らの司牧者としての役割と共に、霊的にキリストを隅の親石とし、この地上でペトロという岩の上に建てられた教会の、その交わりの神秘を思い起こさせるようにと願われ、「真理のために協力して働きましょう」と励ましをおくられた。








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