2012-06-26 15:04:40

教皇、北イタリアの地震被災地を訪問


教皇ベネディクト16世は、26日、イタリア、エミリア・ロマーニャ州の地震被災地を訪問された。

北イタリアで5月20日、29日に発生した地震は、エミリア・ロマーニャ州を中心に多くの死者・負傷者を出し、建造物破壊などの大きな被害をもたらした。この一連の地震により、およそ1万5千人が避難生活を強いられている。

この朝、教皇はヘリコプターで被害が特に深刻な同州モデナ県に向かわれた。

サン・マルティーノ・ディ・カルピに到着された教皇は、イタリアの市民安全局の車両でノーヴィ・ディ・モデナに移動された。

ノーヴィのロヴェレート・スラ・セッキア地区に入られた教皇は、地域の唯一の小教区、アレクサンドリアの聖カタリナ教会の前で車から降りられた。

同教会では、5月29日の地震で、主任司祭イヴァン・マルティーニ神父が犠牲になった。マルティーニ神父は消防関係者らと共に、数日前の地震で受けた教会内の被害を点検していた最中、突然の揺れに襲われたが、聖母像が倒れないようにと駆け寄ったところに聖堂の一部が崩れ落ちた。

同教会の入り口にはマルティーニ神父の写真が掲げられ、木製の聖母像が置かれていた。教皇は教会の前に立たれ、深い祈りを捧げられた。

この後、教皇はロヴェレートの広場で市民との出会いを持たれ、被災者らに温かい言葉をかけられた。

教皇はこの訪問を通して皆を励まし、元気づけ、支えたいと述べ、被災者たちを思う日頃の祈りを伝えられた。

地震に対する恐怖と、多くのものを失った苦しみの中にあっても、神が近くにいてくださるという信頼と確信を失うことがないようにと教皇は説かれ、岩のように強い神の愛の啓示を、十字架上の死という究極の謙遜に至るまで私たちに連帯の愛を示してくださったイエス・キリストの中に見出すよう招かれた。

そして、「この神の愛という岩の上に、わたしたちは築き、再び築く」ことができると述べた教皇は、被災地の復興を勇気付けると共に、行政当局や善意の人々に一層の援助を呼びかけられた。

教皇はカリタスの活動をはじめとする教会の支援を約束され、「皆さんはひとりぼっちではありません」と、すべての被災者を励まされた。

教皇はこの出会いで、子どもたちや病者、ボランティアの人々に親しく言葉をかけられ、祝福をおくられた。

訪問を終えられた教皇は、サン・マルティーノ・ディ・カルピより、再びヘリコプターでバチカンに戻られた。








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