2012-03-29 17:42:27

キューバ訪問:ハバナで教皇ミサ、真理と自由の関係を説く



教皇ベネディクト16世は、訪問先のキューバの首都ハバナで28日、市民参加のミサをとり行われた。

ミサ会場となった市内の革命広場には、およそ30万人の信者が集い、教皇の声に耳を傾けた。

「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネ8,31)というイエスの言葉を示しながら、教皇はミサの説教で真理と自由の切り離せない関係について説かれた。

真理は人間の熱い願いであり、その追求は真の自由への鍛錬であると教皇は強調。しかしながら、多くの人が楽な道を好み、この課題を避けようとしていると述べた。

教皇は真理にたどり着けない理由として、ポンティオ・ピラトのように、懐疑主義や相対主義に流され、真理を知る可能性を放棄してしまう人々、あるいはイエスを「十字架につけろ」と叫んだ律法主義者たちのように、真理の追求を受け入れられず、理性を失った狂信に走り、自分の狭い考えの中に閉じこもってしまう人々などの例を挙げられた。

「真理」は、命と死、義務と権利、結婚や家族、社会など、いわば不可侵な人間の尊厳をめぐる基本的倫理を人に示すものであり、それゆえ真の自由の獲得のために真理を知ることは不可欠と教皇は話し、人を自由にするこの真理を知ることで、現実を深く理解し、愛の刷新の力でそれを変えていくことができると述べた。

キューバの教会がイエスを人々に示し、その信仰を公に告げるという使命を果たすためには、基本的な宗教の自由が保証されなければならないと教皇は強調。近年その状況に大きな進歩が見られたことを喜ばれる一方、教会がこの歩みを続け、共通善のために社会でより奉仕できるよう、政府の協力を呼びかけられた。

宗教の自由とは、人間が市民として、また同時に信仰者として生きることを保証するものであり、信仰を持つ人々が市民として社会の構築に寄与するのは正当なことと教皇は指摘。これが人々の共存を強め、より良い社会への希望を育み、平和と発展を助けることになると説かれた。

こうした中で教皇は、特に教会が教育分野などを通して、社会に貢献できるようになることを望まれた。

教皇は、過ちの闇を打ち払うキリストの光の中を歩み、聖人たちの精神と活力をもって、神に自由に、寛大に応えることができるようにと、キューバの教会のために祈られた。








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