2012-03-27 19:02:27

教皇、サンティアゴ・デ・クーバでミサ、コブレの聖母発見400年を記念し


26日、司牧訪問のためキューバ入りされた教皇ベネディクト16世は、同日午後、サンティアゴ・デ・クーバで、コブレの聖母発見400周年を記念するミサを捧げられた。

ミサ会場となった市内のアントニオ・マセオ広場は、およそ20万人の信者で埋め尽くされた。

このミサにはラウル・カストロ国家評議会議長も参列した。

コブレの慈悲の聖母の歴史は、今からおよそ400年前、3人の漁師(2人の先住民と1人の黒人奴隷)がニペ湾で「わたしは慈悲の聖母」と書かれた木製の聖母像を発見したことから始まる。

聖母像はその後、エル・コブレの銅山に運ばれ、1684年、最初の巡礼聖堂が建てられた。この聖堂は、19世紀には奴隷解放とキューバ独立を目指す人々の精神的支えとなっていった。1898年、キューバ解放の感謝のミサがここで捧げられた。1916年に教皇ベネディクト15世はコブレの慈悲の聖母をキューバの保護者として宣言した。

典礼暦で「神のお告げ」を祝ったこの日、教皇はミサの説教で、神の御子の受肉をキリスト教信仰の中心的神秘として示しながら、救いの歴史の中で聖母が果たす重要な役割に目を向けられた。

「キリストを通して、神は現実にこの世に来られ、私たちの歴史の中に入られた」と述べた教皇は、神はわたしたちの間に住まわれることで、世界が真に人間の家となるようにとの人々の熱い願いを満たされるが、神が排斥された所では世界は人間にとって住みづらい場所となると話された。

今日、おとめマリアの信仰を聖エリザベトと共に「信じた方は、なんと幸いでしょう」(ルカ1,45)と賛美し、わたしたちの信仰が愛の中に強められ豊かになるように、また、マリアのように神の御言葉を常に従順に受け入れることができるよう主に祈りましょう、と教皇は信者たちを招かれた。

教皇は、キューバの信者たちが国内の様々な状況の中で日々果たす努力と勇気、献身をねぎらわれると共に、人々が神に近づき、神に出会う場所としての教会を実現して欲しいと願われた。

また、教皇は社会の基礎、家庭教会としての家族の大切さを強調。キューバは皆さんの誠実と一致、いのちを受け入れる姿を証しとして必要としています、と述べ、キリストの教会への愛を目に見える形で表すしるしとなるよう、夫婦らを励まされた。

教皇はコブレの聖母に人々を託しながら、皆がその信仰に新たな活力を得て、「キリストのためにキリストを生きる」ように、そして平和と赦しと理解という手段をもって、神の愛を反映した、人間にふさわしい、より良い社会の構築に尽くすようにと希望された。

この日のためにコブレの聖母巡礼聖堂からミサ会場に運ばれた聖母像に、教皇は式の中で金のばらを捧げられた。








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