2012-03-27 16:06:59

教皇、キューバ入り「未来に向かって、新たな水平線を」



メキシコ訪問を26日朝終えられた教皇ベネディクト16世は、続いてもう一つの訪問国、キューバに向かわれた。

現地時間同日14時、サンティアゴ・デ・クーバ国際空港に到着された教皇は、出迎えたラウル・カストロ国家評議会議長と固く握手を交わされた。

ローマ教皇のキューバ訪問は、1998年に福者ヨハネ・パウロ2世が訪れて以来、14年ぶり。

空港での歓迎式の挨拶の冒頭で教皇は、かつてキューバ国民の心に、信仰の有無を超えて、深い印象を残したヨハネ・パウロ2世の歴史的訪問に言及。

前教皇が示した模範と教えが、人々と社会に国家の共通善のために働くことを励まし、キューバの教会と信者の信仰に再び活力を与え、カトリック教会とキューバ間の新たな協力・信頼関係を築いたことを思い起こされた。

一方で教皇は、こうして教会とキューバ間に新しい関係が始まった今も、より進化させるべき側面がいまだ残っているとし、宗教が社会・公共分野で果たす貢献をさらに拡大させていくことを希望された。

教皇は、この訪問でキューバの人々が崇敬する「コブレの聖母」の発見400周年を共に祝う喜びを表され、ご自分もコブレの聖母巡礼聖堂を訪問し、すべてのキューバ国民のための聖母の保護と取次ぎに感謝すると共に、この国が正義と平和、自由と和解の道を歩めるよう、その導きを祈りたいと述べた。

「愛(カリタス)の巡礼者」としての立場を示した教皇は、信者らの信仰を固め、神の愛から生まれる希望のもとに人々を励ましたいと話された。

現在、世界の多くの地域が経済危機に苦しむと共に、深い精神的・倫理的危機に陥っていると教皇は述べ、こうした中で人間は、個人と家庭に真の益をもたらすことのないある種の権力のエゴイズムを前に、精神的価値を失い、無防備な状態にさらされていると指摘。

多くの人を苦しめる状況を生んだこのような文化的・倫理的な方向性を続けていくことはできないとした教皇は、世界は一部の利益にまどわされない堅固な倫理観と高い精神価値を持った人々を必要としていると強調。

教皇は、キューバがその歴史においてこれほど重要な時にあって、先人たちの豊かな精神遺産・倫理価値から力を汲み取り、未来を見据え、その水平線を新たに広げていくことを望まれた。








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