2012-03-06 18:33:31

教皇、ローマの小教区を訪問「わたしたちは神の心の中にいる」


教皇ベネディクト16世は、4日、ローマ市内の聖ヨハネ・ラサール教会でミサを捧げられ、信者たちと交流された。

四旬節の黙想期間を前日に終えられた教皇は、日曜日の朝、この時期恒例の行事として、ローマの小教区を司牧訪問された。

ローマ南西部トッリーノ地区の聖ヨハネ・ラサール教会は、紀元2000年の大聖年に設立された小教区。聖堂は2009年に完成し、同年献堂式が行われた。

主任司祭ジャンパオロ・ペルジーニ神父によれば、新しい住宅が広がる同地区の人口は、現在およそ1万2千人、その数は年々大きく伸び続けているという。住民の大部分は子どもを持つ共働きの若い夫婦から構成されるが、こうした状況に対応するために、同教会では偉大な教育者聖ヨハネ・ラサールと聖ヨハネ・ボスコに倣い、特に児童の教育活動に力を入れている。週末にボランティアによる子どもと両親参加の教室を開催するほか、オラトリオで音楽・絵画・演劇・スポーツを学ぶ機会を子どもたちに提供している。

同教会を訪問された教皇は大勢の子どもたちをはじめ住民たちの温かい歓迎を受けられた。

教皇は説教でミサ中第一朗読の、神がアブラハムを試され、一人息子のイサクを捧げ物とするよう命じるエピソード(創世記22章)を観想。アブラハムにとってイサクを犠牲にすることは、未来のすべて、自分自身を犠牲にすることに等しかったが、彼は神への徹底的な委託を示し、それに神は応えられイサクの犠牲を止められた、神は命を愛されるからであると、教皇は話された。

また、第二朗読の聖パウロのローマの教会への手紙(8,31b-34)で、使徒パウロが「わたしたちのために、その御子をさえ惜しまなかった」神の愛について述べていることに触れた教皇は、「わたしたちは神の心の中にいます。これはわたしたちの大きな信頼です。この信頼は愛を生み、わたしたちは愛のうちに神に向かうのです」と話された。

そして、教皇は最後に福音朗読のイエスの変容のエピソード(マルコ9,2-10)に目を向けながら、この変容においてイエスはペトロ、ヤコブ、ヨハネに「十字架という完全な自己奉献を通して到達する、闇に打ち勝つ輝く愛の道」を前もって示したのであり、イエスの変容は「光の時」を先取りするものであったと説かれた。

「わたしたちも神から光を受けなくてはなりません」と教皇は話し、真のいのちに結びつかない別のメッセージを待つことなく、わたしたち自身がキリストの使徒となり、それぞれの職場や学校でイエスの福音を伝えていくよう、信者たちを励まされた。

この日の訪問で多くの子どもたちに囲まれた教皇は、「たくさんの子どもたちを見るのはわたしにとって大きな喜びです。これならばローマは生き、これからも生きていくでしょう」と話しかけられた。

小教区訪問の後、教皇はバチカン宮殿に戻られ、正午の祈りを聖ペトロ広場の信者と共に唱えられた。








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