2012-02-18 18:30:11

公開枢機卿会議:教皇、22名を新枢機卿に任命「教会の勇気ある奉仕者に」


バチカンで18日、公開枢機卿会議が開催された。この中で、教皇ベネディクト16世は22名の枢機卿の任命式をとり行われた。

この日、聖ペトロ大聖堂には、枢機卿会のメンバーをはじめ、教会関係者、信者らが集い、新しい枢機卿を迎える喜びを共にした。

教皇は新枢機卿らへの言葉で、教会に愛と力強さをもって奉仕し、「神のしもべの中のしもべ」となるよう呼びかけられた。

枢機卿のまとう緋色の衣に、「必要とされるならば自己犠牲をも厭わない完全で無条件な献身」の意味を示された教皇は、師としての明晰さと叡智、司牧者のエネルギーと剛毅、殉教者の忠実と勇気をもって、ペトロの後継者と固く一致しながら、教会のために全力を尽くすよう希望された。

また、教皇は、教会のために自らを捧げる者の生き方は、世の権力と栄光の論理とは相容れないと強調。「あなた方の中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、すべての人のしもべとなりなさい」というイエスの言葉を引用しながら、支配と奉仕、利益の追求と無償性、どの時代、どの場所でも対比されてきたこれらの相反する価値観を前に、イエスが示す道は明らかであると説かれた。

「キリストの十字架上での完全な自己奉献こそが、皆さんの原則、愛のために働く刺激と力であるように」と新枢機卿らを励まされると共に、教皇が神の民に確かな教えを証しし、力強さと温和さとをもって聖なる教会の舵をとり続けることができるよう、ご自分のためにも祈って欲しいと願われた。

式辞に続き、教皇は新枢機卿の一人ひとりに、赤いビレタ(聖職者用の角帽)と指輪、任命書を手渡され、それぞれに名義教会として託されるローマ教区の教会名を告げられた。そして、教皇は新しい枢機卿らと平和の抱擁を交わされた。枢機卿会のメンバーたちもまた、新枢機卿らと抱擁を交換した。 

この任命式によって、枢機卿会の全メンバーは213人となった。このうち教皇選挙(コンクラーベ)の投票権を持つ80歳未満は125人で、これに対し80歳以上は88人。現在の枢機卿会の構成メンバーの出身国は71カ国に及び、その地域別内訳は、ヨーロッパ119人、北米(米国とカナダ)22人、ラテンアメリカ32人、アフリカ17人、アジア20人、オセアニア4人。

教皇ベネディクト16世は、これまで枢機卿任命のための枢機卿会議を4回開催しており、そこで62人を任命されている。

 
この日、教皇によって新しく任命された22名の枢機卿は以下のとおり。(敬称略)

1.フェルナンド・フィローニ大司教、福音宣教省長官(イタリア)

2.マヌエル・モンテイロ・デ・カストロ大司教、内赦院長(ポルトガル)

3.サントス・アブリル・イ・カスティリョ大司教、教皇直属バシリカ・サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂首席司祭(スペイン)

4.アントニオ・マリア・ヴェリョ大司教、移住・移動者司牧評議会議長(イタリア)

5.ジュゼッペ・ベルテッロ大司教、バチカン市国委員会議長・バチカン市国行政庁長官(イタリア)

6.フランチェスコ・コッコパルメリオ大司教、法文評議会議長(イタリア)

7.ジョアン・ブラツ・ジ・アヴィス大司教、奉献・使徒的生活会省長官(ブラジル)

8.エドウィン・フレデリック・オブライエン大司教、エルサレム聖墳墓騎士団団長代行(米国)

9.ドメニコ・カルカーニョ大司教、聖座財産管理局局長(イタリア)

10.ジュゼッペ・ヴェルサルディ大司教、聖座財務局局長(イタリア)

11.ジョージ・アレンケリー、シロ・マラバル典礼エルナクラム=アンガマリ総大司教(インド)

12.トーマス・クリストファー・コリンズ、トロント大司教(カナダ)

13.ドミニク・ドゥカ、プラハ大司教(チェコ)

14.ウィレム・ジャコブス・エイック、ユトレヒト大司教(オランダ)

15.ジュゼッペ・ベトーリ、フィレンツェ大司教(イタリア)

16.ティモシー・マイケル・ドラン、ニューヨーク大司教(米国)

17.ライナー・マリア・ウォルキー、ベルリン大司教(ドイツ)

18.ジョン・トン・ホン、香港司教(中国)

19.ルチアン・ムレザン、ファガラシおよびアルバ・ユリア総大司教(ルーマニア)

20.モンシニョーレ・ジュリアン・リエズ、ナミュール教区司祭、ルーバン・カトリック大学宗教史学名誉教授(ベルギー)

21.プロスペル・グレック神父、聖アウグスチノ修道会、ローマの諸大学の名誉教授、教理省顧問(マルタ)

22.カール・ベッカー神父、イエズス会、教皇庁立グレゴリアン大学名誉教授、教理省顧問(ドイツ)








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