2011-10-10 12:37:31

「キリスト者として、愛という礼服をまとって生きる」教皇、ラメツィア・テルメでミサ


教皇ベネディクト16世は、9日、司牧訪問先、イタリアのラメツィア・テルメでミサを捧げられた。

「ナザレの人イエス・キリストの名によって、歩きなさい」(使徒言行録3,6)をテーマにしたこの訪問で、ベネディクト16世は初めて南イタリアのカラブリア州を訪れ、信者たちの熱心な歓迎を受けられた。

ラメツィア・テルメ郊外の元工場地帯を会場にしたミサには、およそ5万人が参加した。

教皇は説教で、ミサ中朗読されたマタイ福音書の「婚宴」のたとえ(22,1-14)を観想された。

ここでイエスは、天の国を、ある王が王子のために催した婚宴にたとえている。

教皇は、聖書の中で祝宴のイメージは、神との交わりの喜びと、神の豊かな賜物を表現し、神と人類との祝祭を想像させるものであると説明。

このたとえでは、神は王として表現され、神の招きにいかに人々が答えたかということがテーマになっている。王が催した婚宴には多くが招かれたにも関わらず、招かれた人々は来ようとはせず、ある者らは別の用事に出かけ、ある者たちはこの招きに侮蔑で答えた。

神は私たちに寛大にご自分の友情と恵み、喜びを与えてくださるが、私たちはしばしば神の言葉を受け入れず、他のことに気をとられ、自分の物質的な心配や興味を優先してしまうと教皇は指摘。しかし、ご自分の招きに対する人々の拒絶は、神の寛大さをなくすどころか、かえってその招きはますますすべての人へと拡大していくと述べられた。

実際、続く場面では、王の命に従い、家来たちは通りに出て見かけたすべての人々を集め、宴席は客でいっぱいになる。教皇は、この王の寛大な行為に、ご自分の招きに応える可能性をすべての人に与える神の限りない愛を見つめられた。

しかし、この婚宴に残るには唯一つの条件があった。その条件とは礼服を着てくることであった。王は客席に礼服を着ていない者を見ると、その席から追い出させた。

ここで「礼服」とは何かと教皇は問い、それはカリタス、すなわち愛であると強調。私たちはすべて、王の食卓に招かれているが、そのためには信仰を持ってその扉をくぐり、神と隣人のために深い愛を持って生きるという、カリタスをまとわなければならないと説かれた。

教皇はラメツィア・テルメをはじめ、カラブリア州全体の状況に目を向けられ、人々に不安を与えている失業や、社会生活を侵害している犯罪など、同地方を揺るがしている問題に言及。

これらの問題に常に勇気をもって立ち向かってきたカラブリアの人々の困難を乗り越える力をたたえられた教皇は、悲観やあきらめに陥ることなく、信仰の力と人間性をもって、隣人と社会のために互いに助け合い、よりよい社会の構築を目指すよう願われた。

そして、そのために愛という礼服をまとい、人間として、またキリスト者としての証しを自分が置かれた場所で表しつつ、信仰の光と愛から得た勇気と信頼のもとに力強く生きて欲しいと、皆を力強く励まされた。








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