2011-08-31 17:23:09

8月31日一般謁見教皇談話
「芸術は無限へと開かれた門、美そのものである神に導く道」


8月最後の水曜日この日の教皇一般謁見は、教皇が目下滞在中のカステルガンドルフォの教皇夏の宮殿前に広がる広場にて行われた。教皇宮殿中庭は約4千人の巡礼者しか収容しきれない。この日の巡礼者の数は4千人をゆうに超える数であったため町の広場を会場として行われた。教皇はいつも通り時間通りに会場に姿を現し、人々の歓迎の拍手と歓声ににこやかに答えながら席につかれこの一般謁見は始められた。この日の教皇のカテケシス(教会の教えの解説)は芸術と神の美との関係についてであった。

教皇は、芸術は美の光線のようなものでわたしたちの霊魂を「最高の美」すなわち神にまで導くことが出来る。さらに世界各地にちらばる芸術の都を訪問するということは単に美しいものに触れて感性を磨き文化的に豊かになるだけではなく信仰そのものをも養う機会になると話された。

どのような材料によって表現されていても、素晴らしい芸術作品は、どれもその材質物質を超越したはるかかなたにまで人の心を導き「奥深い内的な感動と歓喜の念」を引き起こす。 そこに見えるのは単なる物質、大理石やブロンズの一片、彩られた画布、書き連ねられた文字、音の集合だけではなく、何かより偉大なもの、人の心に触れ、語りかけることの出来る何か、何らかのメッセージを伝達し、魂を高揚する何かがある。

芸術は目に見える可見の物質を通して見えないはるかかなたの現実を垣間見せ、無限のお方、日常性を超えた美と真理への門を開いてくれる。芸術作品はわたしたちの心の目を開きより高いものへと推し進める。と教皇は続けます。

「より高いもの」にむかう芸術的な美は、最高の美そのもの、すなわち神にまでわたしたちを導く。たとえば建築物で例をとってみるなら、あのゴチック建築の高く高く伸びる上昇線はわたしたちを天の高みにまで導き、あの荘重なロマネスク建築はわたしたちをおのずから深い祈りの雰囲気に引き込んでいく。美しい音楽も同じ事でわたしたちの心を神に向かわせる力を持っている。

教皇はこのように芸術がどれほど人間の魂の美そのものである神への高揚に有益であるかを語り、その後、並み居る巡礼者たちにそれぞれの国の言葉で心のこもる挨拶を送られた。この日教皇が送られた各国語での挨拶は、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など主要ヨーロッパ語だけなくルーマニア語やクロアチア語ポーランド語など11ヶ国語に及んだ。この各国語での挨拶の後、教皇は巡礼者たちを祈りに招き、「主の祈り」をラテン語で巡礼者たちと共に歌われ、教皇祝福をもってこの日の一般謁見を終えられた。







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