2011-08-08 18:19:27

教皇、シリアとリビア情勢に平和への努力アピール


教皇ベネディクト16世は、カステルガンドルフォで7日、日曜正午の祈りの集いを行われた。

この席で教皇は、緊張の続くシリアとリビアの情勢に言及、急務である和解と平和への取り組みをアピールされた。

シリアにおいて暴力行使が深刻化し、多くの犠牲者と市民の苦しみを生んでいる悲劇的状況を憂慮された教皇は、同国の人々が分裂と憎しみを乗り越え、和解に向けて努力することができるよう、カトリック信者らを祈りに招かれた。

同時に教皇は、人々の尊厳を尊重しつつ、地域の安定のために、一刻も早く平和的共存を取り戻し、市民の正当な願いに誠実な対応がなされるようにと、シリア政府と国民に呼びかけを新たにされた。

また、リビアの現状にも目を向けられた教皇は、武力は状況を解決しないと述べ、国際機関と関係する政治・軍事当局に、同国のための平和プロセスを対話と交渉を通して真剣に追求していくよう願われた。

集いの説教で教皇は、この日のミサの福音朗読箇所、湖の上を歩くイエスのエピソード(マタイ14,22-33)を取り上げられた。

この箇所では、イエスが群集と弟子から離れ、祈るために一人で山に登ったことが記される。一方、弟子たちの乗った湖上の舟は、陸から離れ、逆風で波に揺れていた。夜明け頃、イエスは湖の上を歩いて弟子たちの方に行ったが、それを見た彼らは幽霊と思い、恐怖のあまり叫んだが、イエスは「わたしだ。恐れることはない」と彼らを安心させた。

教皇はこのエピソードに見られる豊かな象徴的意味を指摘。海は現実生活と不安定なこの世を、また嵐は人間を苦しめる様々な心配事や困難、これに対し舟はキリストによって作られ使徒たちによって導かれる教会を表していると説明された。

イエスはここで、人生の困難を神に信頼し勇気をもって乗り切ることを弟子たちに教えていると教皇は強調。そして、ペトロが師への愛に動かされ、「来なさい」と招くイエスの方に水の上を歩いていこうとする続く場面を観想された。

ペトロは最初水の上を歩きイエスの方に進んだが、途中で強い風が怖くなり、沈みかけて、「主よ、助けてください」と叫んだ。イエスは手を伸ばして彼を捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言った。

ペトロは水の上を自分の力ではなく、神の恵みの力によって歩いていたが、疑いに負け、イエスから目をそらし、師の言葉への完全な信頼を失った時、人生の海に沈みそうになったと教皇は述べ、私たちも自分だけにとらわれていると、風に左右される身となり、人生という水の上を嵐を越えて渡っていくことはできないと話された。

教皇は、私たちが探し求める前に、主ご自身が私たちに会いに来てくださり、私たちに手を差し伸べ、ご自分の高さまで上げてくださると話し、聖母マリアを模範とする、神への完全な信頼を説かれた。








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