2011-06-14 18:03:02

教皇とヨーロッパの移動民族との出会い


教皇ベネディクト16世は、バチカンで11日、ヨーロッパの様々な移動民族の代表とお会いになった。

この集いは、福者ゼフィリーノ・ジメネス・マッラ(1861-1936)の生誕150年と殉教から75年を記念して、教皇庁移住・移動者司牧評議会の主催で行われたもの。

殉教者・福者ゼフィリーノは、スペインのヒターノの一族に生まれた。信仰篤く、平和と祈りの人であったゼフィリーノは、フランシスコ会第三会員として、人々に奉仕し、信仰を励ました。スペイン内戦下、無政府主義者らに連行される司祭を逃がしたことで逮捕され、銃殺された。1997年、教皇ヨハネ・パウロ2世によって列福された。

パウロ6世ホールで行われた教皇との出会いには、ヨーロッパ各国から、ロマ、マヌーシュ、シンティなど7民族の代表、およそ1500人が参加。会場は参加者による伝統音楽の演奏や舞踏で豊かに彩られた。

各民族の代表の言葉では、社会において移動民族が置かれている困難な状況や、歴史上の過酷な体験、未来への希望が語られた。

教皇は出会いの挨拶で、「皆さんは教会の中で疎外された位置にいるのではなく、むしろ教会の中心にいるのです」とパウロ6世がかつて移住民族に向けた言葉を紹介。

ヨーロッパの移動民族の複雑な歴史、特に第2次世界大戦下での迫害・強制収容所での虐殺の悲劇を振り返りながら、教皇は、今もなお社会における受容の難しさを体験しているこれらの民族の厳しい現実を見つめられた。

「ヨーロッパの良心はこの痛みを忘れることがあってはならない」と、教皇は移動民族が拒否や蔑視の対象となることが決してないよう訴えると同時に、一方で彼らの正義、合法性、和解を求める努力が、社会における一層の安定に結びつくことを指摘された。

教皇は「教会は皆さんと共に歩み、キリストに信頼し福音の精神に従って生きるよう招いています」と参加者らに呼びかけ、ご自身の祈りと精神的一致を約束された。








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