2010-11-15 18:48:28

経済危機:教皇「発展と消費スタイルの深い見直しを」


教皇ベネディクト16世は、バチカンで14日、日曜正午の祈りの集いを持たれた。

イタリアで農産物の実りを神に感謝する「感謝の日」が記念されたこの日、教皇は今日の経済と農業についての考察を展開された。

教皇は、このたびの20カ国・地域(G20)首脳会議でも取り扱われた今日の経済危機を真剣に捉える必要を説き、様々な原因から成り立つこの問題は世界経済の発展スタイルの深い見直しを促すものと述べられた。

そして、経済危機により、貧富の不均衡、飢餓、環境破壊、失業などの問題などの解決がいっそう懸念される中、工業化の影響で影に追いやられている農業に再び注目することは、将来の発展に有益なものをもたらすだろうと話された。

現在の経済状況においては、より活発な経済のために有利な同盟を求めがちだが、その結果、他の貧しい国々では、天然資源の枯渇を招きながら、人々の苦しい状況は改善されないままであることを教皇は指摘。

工業先進国が持続的発展不可能な消費生活スタイルを維持し続けるならば、貧しい人々と環境に重い負担をかけることになるだろうと警告された。

教皇は、食糧と仕事、そして空気と水など普遍的財産がすべての人に保証されるためには、農業・工業・サービス業間の新しい均衡が真に必要になってくると強調。

より賢明で責任ある消費のあり方を教育し、農業活動における社会的側面を踏まえた、受け入れ・連帯・分かち合いの精神に基づく責任を一人ひとりに推進することの大切さを説かれた。

この集いの後半、教皇は、今年1月の大地震後、現在コレラ感染で苦しむハイチの人々への精神的一致を新たにされた。教皇はこの危機のために尽力する人々に励ましをおくると共に、国際社会に寛大な支援を呼びかけられた。

さらに、教皇は今月27日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、待降節の最初の日曜日の第一晩課をとり行い、この中で「生まれてくる命」に対する祈りを捧げる旨を告げられた。そして、この祈りが全世界の教会に共通の行事として、小教区はもとより、宗教的共同体・グループ・運動において広く行われるよう推奨された。教皇は、降誕祭の準備期間を、すべての人命のために神の保護を祈り、両親から与えられた命の賜物を神に感謝するよい機会として示された。
 







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