2010-11-01 18:44:17

イラクのカトリック教会を武装集団が襲撃、死傷者多数、教皇、暴力を厳しく非難


イラクの首都バグダッドのカトリック・シリア典礼司教座大聖堂を、31日、武装集団が襲撃。自動車に積んだ爆弾による攻撃の後、日曜のミサのために集っていた司祭や信徒らを人質に立てこもった。治安部隊らによる救出作戦で武力勢力は鎮圧されたが、この事件で55人以上が死亡、80人以上が負傷した。

このテロ行為に対し、イラクのアルカイダ系武装勢力が犯行声明を出した。このグループは人質と引き換えに、イラクとエジプトに収監されているアルカイダ系メンバーの釈放を要求していた。

人質の救出の際、銃撃戦になったほか、テロリスト側の自爆攻撃も行われたとされる。犠牲者の中で、司祭は2名、信徒は少なくとも37名、この内には女性や子どもたちが多く含まれる。治安部隊側も7名の犠牲を出した。テロリスト8名も死亡したという。

イラクにおけるキリスト教徒に対する迫害や暴力行為は止まず、今回の事件は同国のキリスト教徒たちの置かれた危機的な立場を再び浮き彫りにするものとなった。

教皇ベネディクト16世は、この事件を非常に重く受け止められ、和解と愛を育む神の家に集った無実の人々を攻撃するテロ行為を言語道断のものと厳しく非難された。

教皇は犠牲者のために冥福を祈ると共に、試練の続く同国のキリスト教共同体の司牧者と信徒らに希望を強く持つよう勇気付けの言葉をおくられた。

中東の人々を苦しめ続ける残忍な暴力を前に、平和へのアピールを新たにされた教皇は、あらゆる形の暴力に終止符を打つために各国および国際共同体のさらなる努力を呼びかけられた。







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