2010-10-19 18:49:01

列聖式:聖人たちの人となり(1)


10月17日、バチカンでとり行われた教皇ミサの中で列聖された聖人たちの人となりを紹介する。

******

聖スタニスラオ・カジミリターノ・ソルティス(ポーランド1433-1489、ラテラン修道会司祭)

スタニスラオ・カジミリターノは、1433年、ポーランドに生まれた。
クラクフで勉学を終え、23歳でラテラン修道会への入会を決意。特に謙遜と忍耐、貞潔の徳に秀で、模範的な修道生活を送った。
ミサ聖祭は彼にとって最も大切なことであり、ミサをもって一日を開始し、ミサをもって一日を過ごしていた。
また、スタニスラオは、優れた説教師としても知られた。その熱烈な説教は多くの人々の心に神の愛の炎を燃えたたせずにはおかなかった。
彼は同時に、若い修道者たちの熟練した教育家でもあった。若い人々にはいつも聖体に値する大きな愛を教えるよう努力していた。そして修道者たちもスタニスラオを心から尊敬し、その教えに喜んで耳を傾けていた。
スタニスラオは、ただキリスト教の教えを言葉で伝えるばかりではなく、その生活の証しをもって教示していた。
彼は、修練者たちの教育、修道院を訪れる貧しい人々の世話、説教の準備、告解場での奉仕に誠心誠意尽くした。人々はスタニスラオの聖なる生活に心を打たれ、誰もが彼を本当の聖人だと考えるのであった。1489年、スタニスラオが聖徳の香りの中に天の御父のもとへ帰ると、すぐに多くの人々がその取次ぎを願い始めた。

******
聖アンドレ・ベッセッテ(カナダ1845-1937、聖十字架修道会修道士)

アンドレ修道士は、1845年、カナダの貧しい家庭に生まれた。幼少の頃から単純な信仰に満ちた生活を送り、誰にでも親切な心の広い若者であった。
当時、カナダの貧しい家庭の子弟の多くがより豊かな生活を求めて北米への出稼ぎに向かったが、同じ道をアンドレもたどり、数年間アメリカに移住した。そのまま米国に定住するカナダ青年も多かったが、アンドレは祖国カナダに戻り、彼が全幅の信頼を寄せていた主任司祭の指導に従い、青少年教育を主な目的としていた聖十字架修道会に入会、フラテル・アンドレとなった。
フラテル・アンドレは修道院でも目立たない隠れた生活を送っていたが、その聖なる生活は次第に皆の注意を引くところとなり、異なる社会層に属する様々な人たちが彼のところに慰めや勧告を求めに来るようになった。
事実、フラテル・アンドレの祈りのおかげで、多くの人々が病気の治癒や、特に心の慰めを受けて帰っていったのであった。
フラテル・アンドレは特に聖ヨゼフへの篤い信心を抱き、聖ヨゼフを自分の真の友、あらゆる状況において信頼できる方として皆に示し、人々を聖ヨゼフのもとへと導いた。
この謙遜で病気がちな小さな修道士アンドレは、1937年、91歳で天寿を全うし、天の御父の元へと帰っていった。生前、彼を訪れた多くの人々に、フラテル・アンドレはいつも「聖ヨゼフに祈りなさい」と繰り返すのが常であった。



******

イエズスの聖カンディダ・マリア・シピトリア・イ・バリオラ
(スペイン1845-1912、修道女・イエズス孝女会創立者)

イエズスのカンディダ・マリア(フアナ・ホセファ)は、1845年、スペインに生まれた。
10歳で受けた初聖体は、イエスとの出会いの大きな喜びを彼女に残した。
青少年のキリスト教教育と、女性の向上を目的に、1871年12月8日、サラマンカでイエズス孝女会を創立。
学問的準備や経済的手段も何もないところから始まったこの事業と、カンディダ・マリアの生涯は、神の道具として与えられた使命への忠実と、キリストへの愛に貫かれたものであった。
あらゆる社会階層に属するすべての少年少女のための学校、また男女労働者のための日曜学校を開くことは当時として画期的なことであり、カンディダ・マリアはこれを自由主義の広がる19世紀スペインで苦しむ教会の司牧計画の中に取り入れようとした。
カンディダ・マリアは常に自分の信仰と希望、神への愛を表明することを知り、現在を嘆いたり、未来を心配することがなかった。
彼女の霊性の特徴は「信頼」であった。カンディダ・マリアは神の力を疑ったことは決してなかった。
彼女はいつも祈り、神を賛美し、神に願い、神に感謝していた。そして、この精神をもって修道会の会員や学校の生徒たちを教育した。
カンディダ・マリアの生涯は「神の栄光と、隣人の善を推進する」ことに捧げられ、特に学校の内外、裕福や貧困に関わらず生徒たちを教えた「普遍主義」は、今日の社会正義に通じるものであった。
清貧・貞潔・従順の精神に生き、神と人、教会に奉仕することを喜びとしたカンディダ・マリアは、1912年、サラマンカで帰天した。







All the contents on this site are copyrighted ©.