2010-10-18 19:01:28

教皇、「神学生たちへの書簡」を発表


教皇ベネディクト16世は、18日、「神学生たちへの書簡」を発表された。

教皇は、昨年6月から今年6月まで開催された「司祭年」を機会に、特に神学生たちに向けたメッセージの起草を希望。このほど、書簡の形をとって発表されたこのメッセージには、教皇の神学生たちへの励ましと愛情が示されている。

「神学生たちへの書簡」は、前文と、7章にわたる助言、そして終わりの言葉からなっている。

前文で教皇は、第2次世界大戦下の1944年12月に徴兵された時、上官から将来どの職業に就くことを望んでいるかと質問され、「カトリックの司祭になりたい」と答えると、上官に「それならば、あなたは別の仕事を探さなくてはならない」と言われたことを回想。「新しいドイツ」には司祭は必要ないと思われていたが、この狂気がその後国にもたらした巨大な荒廃において、これほど司祭が必要とされたことはなかったのではないかと、振り返られた。

今日、状況は完全に違っても、カトリック司祭は未来の職業ではなく、過去に属するものであると多くの人から思われていると教皇は述べながら、周囲の意見や反対にも関わらず、司祭職を目指そうと決意した神学生たちに、「皆さんのしたことはよいことです。どんな時代でも人は神を必要としているからです」と記されている。
続いて、教皇は助言として、司祭職に向かって準備する神学生時代に重要と思われる事柄を挙げられている。

ここで教皇は、司祭になりたい者は特に「神の人」でなくてはならない、そのためにはキリストとの個人的なきずなを聖書や祈りを通して深めること、生活の中心に聖体を据えること、ゆるしの秘跡を通して神の赦しとは何かを学ぶこと、と述べている。

さらに、民間信心を教会の遺産として認識する、神学校時代を勉学の時とし、聖書学や教父学、倫理神学や教会社会教説、エキュメニカル神学など神学全般の勉強に惜しみなく力を注ぐことが将来の司牧に必ず役立つ、神学生時代に人間的成長を高める、神学校生活を寛容の学校とし、互いを受け入れ豊かにしあうことを学ぶ、などの助言をされている。

そして、この書簡を通して教皇は神学生たちに励ましと祈りを伝えると共に、神学生らを聖母の保護に託された。







All the contents on this site are copyrighted ©.