2010-09-20 10:34:12

教皇英国訪問:ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿の列福式、バーミンガムで


教皇ベネディクト16世は、英国滞在最終日の19日、バーミンガムで捧げられたミサの中で、ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿を福者の列に加えられた。

教皇はロンドンのハイド・パークにおけるニューマン枢機卿列福式の前夜祭を経て、この朝、同枢機卿にゆかりの深い、バーミンガムに向かわれた。

市内のコフトン・パークで行われた教皇ミサには7万人の信者が参加した。

ミサの説教の冒頭で、教皇は、この日曜日が1940年のドイツ空軍とイギリス空軍間の航空戦「バトル・オブ・ブリテン」から70年を記念するために設けられた日であることに言及。ドイツでナチス独裁の暗黒の日々を苦しみながら過ごした自身にとって、英国訪問においてこの機会を皆さんと共にすることに感動を覚えると述べられた。

教皇は、ドイツ空軍による爆撃で大きな破壊を受けたコヴェントリーをはじめ、この戦争で亡くなった多くの市民、ナチスの邪悪なイデオロギーに勇気をもって抵抗した人々を思い起こされた。そして、今、死と破壊をもたらす戦争の恐怖を記憶に留め、あらゆる闘争の地に対する平和と和解への取り組みを新たにしようと、呼びかけられた。

ニューマン枢機卿列福の喜びを教皇は信者たちと分かち合いながら、司祭・説教師・告解師・教師・著作家として生き、優しい教えと、深い人間的洞察、主への燃える愛をもって福音を証しした同枢機卿の姿を示された。

「心は心に語る」というニューマン枢機卿のモットーから、キリスト者の人生を、聖性に招かれ、神の御心と深く交わることを望む人間の心の体験として捉えた同枢機卿の思想に触れることができると教皇は指摘。

ニューマン枢機卿は、神は私たち一人ひとりに特別で具体的な仕事を託されていると語っていたが、彼自身に託された仕事は、その明晰な知性と多作なペンをもって、時代の急務の問題に対応することであったと述べられた。

教皇は、信仰と理性の関係、文明社会における宗教の在り方、堅固な基礎を持った幅広い教育の必要など、ニューマン枢機卿の洞察は、ヴィクトリア時代の英国だけでなく、今日の世界全体を照らすものと称賛。

また、同枢機卿が信者たちに「傲慢ではなく、自分の宗教をよく知り、何を信じ、何を信じないのか理解し、それを説明でき、その宗教を擁護できるだけその歴史を知っていること」を求める一方、司祭たちには司牧において深い人間性と温かさを重要視していたことを紹介された。

そして、自身、深い人間的な視点をもって、人々に心をこめて奉仕し、病人や貧しい人々を訪問し、みなし子を慰め、囚人たちの世話をしたニューマン枢機卿の司祭としての姿を振り返られた。

教皇が、福者ニューマン枢機卿の記念日を10月9日と定めると発表すると、会場を埋めた参加者から大きな拍手が沸き起こった。







All the contents on this site are copyrighted ©.